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アメリカの消失

ハイウェイよ、再び

アメリカの消失

巨大国家を作り上げたアメリカ人の精神性は何に支えられているのか。代表的な小説、美術、音楽、映画などから解きほぐす

著者 宮脇 俊文
ジャンル 社会
出版年月日 2012/02/14
ISBN 9784880652757
判型・ページ数 4-6・248ページ
定価 1,980円(本体1,800円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

9.11から10年……巨大になりすぎた自分をもてあまし、途方に暮れる超大国アメリカはハイウエイ上に甦るか?
「バニシング・ポイント(消失点)」の主人公コワルスキーから「グラントリノ」の主人公コワルスキーへ。
「ハイウエイ」をキーワードにたどる異質の米国文化論。

ソロー、フィッツジェラルド、サリンジャー、ホッパー、オキーフ、スプリングスティーン、イーグルス……小説の数行、絵の断片、曲の一フレーズ。
一見バラバラに存在しているかに見えるものが、アメリカの過去、現在、未来を紡ぎ出す。
本書は開拓時代から筆を起こし、アメリカ人の精神性が何に支えられてアメリカという国家を作りあげ、21世紀のこれからどのような夢を描いていこうとしているのかを、文学、文化、映画、音楽、美術、宗教などの幅広いジャンルから縦横無尽に照射したアメリカへの哀惜とオマージュ。

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目次

プロローグ

第一章:アメリカの光と影
エドワード・ホッパーの影/『陰翳礼賛』の世界/ピューリタンとニューイングランド/ポカホンタス/見えない存在/オキーフとアメリカ南西部/荒野のアメリカ/未知の世界への夢/『オン・ザ・ロード』/『イージー・ライダー』たちのロード

第二章:スモールタウンのアメリカ
ピューリタンと『緋文字』/町と森の二つの世界/アメリカの小さな町で/『本町通り』とスモールタウン/静かな町の大事件/教会に行く人々/キリスト教徒の義務/自民族中心主義/黴菌の復活/アメリカ的風景/『ウォールデンー森の生活』/心の旅

第三章:ジャズ・エイジのアメリカ
ヨーロッパへの回帰/ジャズ・エイジと大恐慌/ジャズ・エイジの終焉/大恐慌の教訓/日本のジャズ・エイジ/バブル後の日本の行方ー精神的大恐慌/大恐慌後のアメリカ/『グレート・ギャッツビー』/物質崇拝の時代/アメリカの中西部/消えたハイウェイ/驚異の感受性/出発点に戻る

第四章:ハート・オブ・ゴールド
「孤独の末路」/家庭崩壊/アメリカのイノセンス/掘り起こす行為/方向の喪失/見えるものと見えないもの/黒人とジャズ/パリの寛容さ/見えない人々/ブラック・アンド・ブルー/ノーバディー/新たな大地のリズム/ブルースの力/コットン・クラブ/ステップ・アウト/鳥の視界/名前とルーツ/西部の物語/自分の居場所

第五章:アメリカのリズム
アメリカを駆け抜けた男だち/ギャッツビーを超えて/ジャズ的リズム/インディオ礼賛/天国への道/ホテル・カリフォルニア/文明の虜/ウッドストック/いちご白書/疾走する天使/走る使命/スモールタウンの平凡な日々/アメリカ的リズム/境界線を越える/現代人の退屈/自分のリズム/影のない世界へ/光を取り込む/心の闇

第六章:ベトナム戦争とアメリカの疲弊
ベトナム戦争の後遺症/政治家のスキャンダル/『マディソン郡の橋』/『フォレスト・ガンプ』/故郷へ帰りたい/精神世界と経済発展/一九世紀への回帰/正義感の回復/神の死/強欲な資本主義/契約社会アメリカ

第七章:光と影の融合に向けて
ハイウェイの原点へ/アメリカの朝/現実と非現実の融合/ホッパーの二本の線/ヒーローの創造/二人のコワルスキー/夢を語るオバマ/新たな物語の創造に向けて

エピローグ
主な参考文献
あとがきに代えて

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