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障害者の芸術表現

共生的なまちづくりにむけて

障害者の芸術表現

障害者の自由な芸術表現を行える、社会環境の整備=すべての人が暮らしやすい社会システム構築への展望を描く

著者 川井田 祥子
ジャンル 文化とまちづくり叢書
出版年月日 2013/02/14
ISBN 9784880653051
判型・ページ数 A5並製・156ページ
定価 2,750円(本体2,500円+税)
在庫 品切れ・重版未定
 

内容説明

近年「障害者によるアート」が新聞紙上や各メディアへの掲載が増えている。しかし、そこには「障害者の」という前置きが必ず加わる。「 表現者」によるアート作品そのものを鑑賞することが、なぜできないのだろうか?
本書は従来の障害者作品のイメージを一新し、鑑賞できる場をつくる試みと、作品の正当な評価をめざして国内外で活動する先駆的なグループの活動を紹介する。既存の福祉制度が行き詰まり、新たな社会保障制度が早急に求められる中、障害者の自由な芸術表現を行える、社会環境の整備=すべての人が暮らしやすい社会システム構築への展望を描く注目の一冊。

【著者】川井田 祥子(かわいだ・さちこ)
大阪市立大学都市研究プラザ特任講師。博士(創造都市)。NPO法人都市文化創造機構の事務局次長も務め、“創造都市”をめざす自治体やNPO関係者らのプラットホーム構築のための活動を行う。大阪創造都市市民会議世話人、社会福祉法人大阪ボランティア協会 ボランティア・NPO推進センター運営委員。
*プロフィールは刊行時のものです

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目次

まえがき

第1章 芸術と福祉 well-being を架橋する
第1節 社会的排除と障害者
第2節 人間発達 human development と文化
第3節 近代産業社会が生み出した障害 disability
第4節 セルフエスティームと芸術表現

第2章 芸術表現と福祉
第1節 医学の領域から芸術の領域へ:欧米
第2節 福祉の領域を超えようとする試み:日本
第3節 新たな福祉 well-being への扉を開くための芸術

第3章 アール・ブリュットとしての評価と作品収蔵
    ー滋賀県社会福祉事業団の実践から
第1節 滋賀の福祉の先駆性
第2節 芸術領域に架橋するための試み
第3節 福祉の基盤に文化を
第4節 ジャポネ展での成功と浮かび上がった課題

第4章 共感による人間関係の再構築ーたんぽぽの家の実践から
第1節 芸術表現によって引き出される障害者の主体性
第2節 自立への多様なアプローチ
第3節 福祉を担う「市民法人」という構想
第4節 エイブル・アート・ムーブメント
第5節 環境の整備に伴うアーティストの変化
第6節 芸術表現の価値と新しい働き方の提案
第7節 エイブル・アートがもたらしたもの

第5章 経済的自立の可能性ーアトリエ インカーブの実践から
第1節 アート市場進出への挑戦
第2節 ソーシャル・デザインとしての福祉
第3節 創造性を保障するシステム
第4節 アート・パトロネージの模索
第5節 作品の評価とセルフエスティーム
第6節 葛藤を乗り越えプライドの構築を

第6章 持続的に支えるシステムの必要性
    ー大阪府「アートを活かした障がい者の就労支援事業」から
第1節 大阪の障害児教育の先駆性
第2節 埋もれている芸術的才能の発掘を
第3節 価値実現への願い
第4節 求められる事業目的の再検討
第5節 多様な価値実現の機会保障を

第7章 選択肢拡大とQOL向上を保障する社会へ
第1節 固有価値 intrinsic value と仕事 opera
第2節 福祉 well-being を実現するために
第3節 多様な価値を実現する政策を

あとがき

参考文献
索引

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