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芸術祭と地域づくり

“祭り”の受容から自発・協働による固有資源化へ

芸術祭と地域づくり

個別の地域コミュニティ・プロジェクトごとに定性的な分析を行い、地域で芸術祭が開催される意義に答える

著者 吉田 隆之
ジャンル 文化とまちづくり叢書
社会
アート・カルチャー
出版年月日 2019/10/03
ISBN 9784880654720
判型・ページ数 A5並製・312ページ
定価 3,190円(本体2,900円+税)
在庫 品切れ・重版未定
 

内容説明

緊急加筆!「表現の不自由展・その後」の「その後」を収載

近年、芸術祭による地域活性化に関心が集まっているが、果たして芸術祭は地域づくりにつながるのだろうか。アートが地域に奉仕しているとの批判もある一方、地域がアートに利用されているとの声も現場では少なくない。だからこそアートが地域や住民に与える影響を学術的・客観的に探究することが求められている。

本書では個別の地域コミュニティ・プロジェクトごとに調査地域全体に定性的な分析を行い、なぜこの地域で芸術祭が開催されるのか、この地域にどんな意義があるのかという問いに答える最新刊であり、芸術・アート、自治体関係者の必読書。

著者:吉田隆之
1965 年神戸市生まれ。愛知県庁在職時にあいちトリエンナーレ2010 長者町会場を担当。職務を離れてからも長者町地区内外で一市民としてアート活動やまちづくりに関わる。2015 年より大阪市立大学大学院都市経営(創造都市)研究科准教授。京都大学法学部卒、京都大学公共政策大学院修了、東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程音楽文化学専攻芸術環境創造分野修了。公共政策修士(専門職)、博士(学術)。研究テーマは、文化政策・アートプロジェクト論。著書に『トリエンナーレはなにをめざすのか―都市型芸術祭の意義と展望』(水曜社、2015 年)、『文化条例政策とスポーツ条例政策』(吉田勝光との共著、成文堂、2017 年)等。 *吉田は正しくは(土に口)

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目次

第1章 あいちトリエンナーレ(名古屋市等)長者町地区
1. 長者町地区とあいちトリエンナーレ
2. あいちトリエンナーレとソーシャルキャピタルのプロアクティブ化
3. 2016開催の政策決定と長者町会場の動向
4. 2010・2013開催により長者町で何が起きたのか
5. 2016開催により長者町で何が起きたのか
6. 分析
7. まとめ

第2章 大地の芸術祭(新潟県十日町市・津南町)莇平集落
1. 大地の芸術祭
2. 開催経緯等
3. 大地の芸術祭莇平集落とソーシャルキャピタル
4. 莇平集落《明後日新聞社文化事業部》
5. 分析
6. あいちトリエンナーレ長者町会場との比較
7. まとめ

第3章 水と土の芸術祭(新潟市)小須戸ARTプロジェクト
1. 水と土の芸術祭と地域コミュニティ形成
2. 開催経緯と特徴
3. 小須戸ARTプロジェクトと地域づくり
4. 分析
5. あいちトリエンナーレ長者町会場との比較と芸術祭の社会的意義
6. まとめ

第4章 いちはらアート×ミックス(千葉県市原市)内田・月崎・養老渓谷
1. 長者町、莇平、小須戸の整理
2. いちはらアート×ミックスと地域コミュニティ形成
3. いちはらアート×ミックスの開催経緯
4. 地域コミュニティ形成への影響
5. まとめと考察

第5章 奥能登国際芸術祭(石川県珠洲市)飯田・正院・若山(上黒丸)
1. 奥能登国際芸術祭と内発的発展論
2. 開催経緯
3. 芸術祭の効果
4. 芸術祭を地域づくりにつなげる必要条件の検討
5. まとめ

第6章 リボーンアート・フェスティバル(宮城県石巻市)はまさいさい・石巻のキワマリ荘
1. 開催経緯
2. 地域づくりへの影響
3. まとめ

第7章 札幌国際芸術祭(札幌市)札幌市資料館
1. 芸術祭の流行と評価の必要性
2. 札幌国際芸術祭と評価
3. 政策立案・決定過程
4. 札幌市資料館の展開―定性的分析
5. まとめ

第8章 「不自由」から「寛容」な社会へ
  あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」の中止
1. 「表現の不自由展・その後」の中止
2. 各団体の声明文
3. 長者町地区で開催された津田監督登壇のトークイベント
4. 「不自由」から「寛容」な社会へ

むすびにかえて
1. まとめ
2. 分析を踏まえた考察

巻末資料、謝辞、索引

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