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三河市民オペラの冒険

カルメンはブラーヴォの嵐

三河市民オペラの冒険

赤字無し。チケット完売。高い芸術性。成功する市民オペラのモデルケースとして絶賛された三河市民オペラのドキュメンタリー

著者 三河市民オペラ制作委員会 編著
ジャンル オペラ・音楽他
出版年月日 2011/07/12
ISBN 9784880652672
判型・ページ数 A5並製・280ページ
定価 2,420円(本体2,200円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

成功する「市民オペラ」のための、“感動”のマニュアル。
“赤字”は絶対に出さない! “2840枚”のチケット完売!
素人集団の地元経済人たちの市民オペラ制作の記録。

愛知県豊橋市の市制100周年記念として始まった「三河市民オペラ」。
オペラに関しては素人にもかかわらず、上演に当たり卓越した能力を十分に発揮した制作委員会は「赤字無し」と「高レベルの公演」という目標を達成。演目の「カルメン」は全国オペラ公演のなかでもとりわけ芸術性の高さを認められ数々の音楽賞を受賞する。

ホセがカルメンを刺した瞬間、空が赤く染まる。
ブラーヴォ!と拍手の嵐。
そしてカーテンコールではみんなが立ち上り、
舞台と客席が一つになる。

オペラ関係者ではない地元経済人たちがオペラを制作するという事例はきわめて珍しいケースであり、緻密に計算され用意周到に取り組んだ制作委員会の活動は、市民オペラのビジネスモデルを
構築する成功事例として注目される。
本書は成功する市民オペラのモデルケースとして最良のテキストであり、オペラファン、舞台制作関係者などに読んでもらいたいドキュメンタリーである。

【著者】三河市民オペラ制作委員会
市民が企画・運営から実施まですべて行い、人材を発掘・育成し、より楽しい音楽の愉しみ方を提案。三河の音楽文化を全国に発信する事を目標に多くの地元経済人が中心となり発足した。
*プロフィールは本書刊行時の物です。

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目次

0 この光景をこそ見たいと思ってきた

第1章 このままでは終われない
    1 蒲郡市民オペラ「カルメン」
    2 のんきなものだった
    3 本が上がらない、稽古ができない
    4 幕が下りて
    ● 私の観た三河市民オペラ 財団法人東京二期会常務理事 中山欽吾

第2章 ふたたびの挑戦へ
    1 オペラフォーラムの衝撃
    2 中山欽吾氏の話
    ● 意気込みと雰囲気におおいに圧倒された ドンホセ(5月31日)竹田昌弘
    3 石田麻子氏の話
    4 お二人への質問
    5 本物でないと、人の心は動かせない
    6 制作委員会の立ち上げ
    7 委員長としての覚悟
    8 委員会のメンバー
    9 12項目の制作方針
    ● つくり手が楽しまずに観客が楽しめるはずがない フラスキータ 峯島望美
    10 「カルメン」でいこう
    ○ カルメンのストーリー

第3章 出逢う人々、それぞれのカルメン
    1 演出家・恵川智美氏との出逢い
    ● “豊橋の”市民オペラが“日本の”になる日 演出家 恵川智美
    2 三河のレベルに甘んじない
    3 指揮者・倉知竜也氏への信頼
    ● いかに地域を巻き込めるか 指揮者 倉知竜也
    4 合唱指揮者・近藤惠子氏との出逢い
    5 公開オーディション
    6 来場者のアンケート
    7 合唱団誕生
    ● 合唱指揮者は楽しくもあり切なくもあり 合唱指導者 近藤惠子
    ● 届いている! 公演監修&スニガ 松下雅人

第4章 公演前の熱気をつくる
    1 オペラセミナー
    2 ホセは情けない男
    3 バス歌手はいつも脇役
    4 主役はドン・ホセ
    5 オペラは一期一会
    ● “副指揮者”の仕事 副指揮者 小島岳志
    6 重唱の魅力
    ● 新しいカルメンがつくり上げられていく カルメン(5月30日)相可佐代子
    ○ リレーエッセイ
    ● 心からの演技とは何かを考え続け フラスキータ 木下侑
    7 世界一の合唱指揮
    ● 稽古を2倍たっぷり楽しめました メルセデス 桜谷清美
    8 はちきんカルメン
    ● とってもとっても、わくわくしました!! カルメン(5月31日)谷口睦美
    9 プレイベント「カルメンうらのうら」
    ● 第一に、合唱団が素晴らしかった ドン・ホセ(5月30日)二塚直紀
    ● 生涯に一度の「カルメン」だったかも コレペティトール 西尾由希
    ○ 「カルメン」のスタッフ・キャスト一覧

第5章 絶対に赤字にしない!
    1 予算の考え方
    2 助成金の取り組み
    3 協賛広告
    ○ 協賛リスト
    4 出演者の「チケットノルマ」はない
    5 チケットの完売は至上命令
    ● 三河市民オペラ「カルメン」での驚き レメンダード(両日)宮崎智永

第6章 開演前夜
    1 プログラムをつくる
    ○ プログラム「カルメン」抄録
    2 アクシデント
    3 一歩足を踏み入れたらそこは
    4 こんなこと考えてもいなかった
    ● 私自身が変わった ミカエラ 二宮咲子
    ● 目の前に青空が飛び込んでくる エスカミーリョ 羽渕浩樹

第7章 市民オペラは生まれたのか
    1 チケット販売の結果
    2 公演の決算
    3 写真と合唱団員懇談会
    ● “最高の贈り物”をありがとう 豊橋技術科学大学吹奏楽団 早坂紗子
    ● 先入観が吹き飛んだ カメラマン 新村猛
    ● 三河市民オペラ「カルメン」における音響制作 音響 上野慶
    ● 合唱の皆さんが光っていくのが見えてきた 照明 古川靖
    4 アンケート、お願いしま〜す
    ● 「制作委員会」という舞台に立ち、それぞれの訳を演じ燃え尽きて 
       制作委員 大羽重治
    ● 個としての成長と全体としての成長は比例する 制作委員 高岡徹
    ● みんなどんどん変わっていく 演出助手 礒田有香
    ● 人数の多さに毎回の衣装チェックが大忙し 衣装 前岡直子
    ● どんな訳でもその役に見えるように ヘアメイク きとうせいこ

第8章 次なる高み
    1 ことのあとさき
    2 佐川吉男音楽賞・奨励賞を受ける
    3 三たびの受賞
    ● チケット完売に脱帽 美術 荒田良
    ● チームワークの魔力〜三河市民オペラ「カルメン」を観劇して 
       音楽評論家 関根礼子
    ● 何もかも飛びまくる現場に脱帽 モラレス/ダンカイロ 関口大介
    4 次のビジョン
    ● 三河市民オペラを分析する〜オペラをつくるシステム 
       昭和音楽大学舞台芸術センターオペラ研究所准教授 石田麻子
    5 「トゥーランドット」という高峰 

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