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禅の風 第49号

竜 聖と俗の守護者

禅の風 第49号

禅を日常生活に取り入れ、現代人に「心の平穏」とは何かを教えてくれるシリーズ

著者 曹洞宗宗務庁 編著
ジャンル 宗教
シリーズ 禅の風
出版年月日 2020/11/10
ISBN 9784880654904
判型・ページ数 A4変並製・56ページ
定価 1,100円(本体1,000円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

特集: 竜 聖と俗の守護者

竜は雲を呼び、雨を降らせ、万物をうるおして五穀を実らす。その偉大な力により、仏法の守護神としても祀られるが、竜は、仏の教えによって救われることを願っている存在でもある。

また、古来、釈尊を含め、優れた修行者は竜にたとえられた。仏教の世界にも竜の伝承は数多く、曹洞宗の高祖道元禅師も例外ではない。
竜とは何か。その信仰はどこから来たのか。竜と仏教、竜と社会・生活のかかわりを探る。

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目次

【特集】竜 聖と俗の守護者
監修・角田泰隆 駒澤大学仏教学部禅学科教授

・竜とお寺の長い歴史
お寺にはたくさんの竜がいる/法顕(五世紀)が見た竜を祀る僧院/縁起と利他、ともに生きること/ナーガ信仰はバラモン教より古い

・インド神話や仏典の竜
水をせき止めた悪魔ヴリトラ/神に負けるも助命されたカーリヤ/異母兄弟・千のナーガと天敵ガルダ/アナンタとヴァースキの活躍/蛇として生きることの苦しみ

・釈尊の生涯と竜王たちの伝説
さまざまな仏伝文学/六牙の白象となった伊羅慢竜王の話/生まれた釈尊に竜王が清浄水を注ぐ/釈尊の成道を確信したカーラ竜王/悪天から釈尊を守るムチリンダ竜王/かつて仏道修行者だった伊羅鉢竜王/事火窟の火竜を降伏する/入涅槃に立ち合い舎利も守る

・『法華経』の八大竜王・竜女成仏
八大竜王に降雨・止雨を祈る/一 難陀龍王/二 跋難陀竜王/三 娑伽羅竜王/四 和脩吉竜王/五 徳叉迦竜王/六 阿那婆達多竜王/七 摩那斯竜王/八 優鉢羅竜王/無数の竜王、法行と非法行/「提婆達多品」の竜女成仏/女人になんの咎があるか

・中国の竜と伝説
水にかかわる多彩な竜たち/王権の象徴・創世神話の蛇神/コラム 西洋の竜・ドラゴン

・日本の伝承と仏道修行
水神・竜神・ヤマタノオロチ/竜女に連れられ娑伽羅竜王に会う

・竜と修行・竜と真理
登竜門の伝説と竜門としての道場/竜象が蹴踏するところ/すすみて真竜を愛すべし

・道元禅師と竜の伝説
拄杖が竜となり猛虎を撃退/竜女成仏と一葉観音の組み合わせ/修行の無事を竜に祈る/永平寺に竜神が来て八斎戒を請う

【特集特別企画】
石川雲蝶と住職たちの物語
 針倉山永林寺・赤城山西福寺(新潟県魚沼市)



【特集関連企画】
描かれた「龍」
(陳容・雪村周継・橋本雅邦・原田直次郎)
監修・山下裕二(美術史家・明治学院大学文学部教授)


【詣・禅寺を訪ねる】
龍澤山善寳寺  竜神様のお寺・曹洞宗の三大祈禱寺院

雲水たちが修行の日々を送る専門僧堂・龍澤山善寳寺(山形県鶴岡市)は、藤沢周平の『龍を見た男』でも知られるように、龍神出現の伝承を持ち、龍神様を祀る祈禱寺院でもある。主に海にかかわる人々の信仰を広く集める二人の大龍王尊は、1000年前、開基・妙達上人のもとへ初めて姿を現す。『法華経』の教えを聞き、功徳を受けた両大龍王尊は、後に仏弟子となり、お寺を守護し、また、人々の願いを叶えることを誓った。

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