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海の建築

なぜつくる?どうつくられてきたか

海の建築
著者 畔柳 昭雄
ジャンル 文化とまちづくり叢書
出版年月日 2021/12/03
ISBN 9784880655185
判型・ページ数 A5並製・224ページ
定価 2,970円(本体2,700円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

海から来る。海へ帰る。
固定から移動へ、不動から可動へ。
海に呼ばれ、海にこたえた建築の意味の歴史。

 日本には、海の上に祀(まつ)られる神社が多い、それはなぜなのか? 海を隔てた南方からの文化が、海によって運び込まれてきており沖縄や奄美をはじめとした沿岸各地では特に、海なくしてはあり得なかった信仰が生まれている。
 信仰の建物だけではない、コルビュジェやライト、丹下健三や菊竹清訓ら海上都市に未来を見ていた建築家は、枚挙にいとまがない。日本のみならず、世界中で多くの建築家が夢見て試行してきた海上建築は、どのような姿なのか。
 建築家ばかりではない、バナキュラー(その土地固有の風土に沿った)建築としての水上居住は、世界中に見られるひととまちとみずの親和からなる“生活文化”そのものでもある。
 著者はわが国海洋建築研究の第一人者。海と関わる建築が「何のために」「どうつくられてきたのか」を、歴史的・技術的・思想的な経緯を振り返りつつ、建築は陸上という固定観念を打ち破る。

著者:畔柳 昭男(くろやなぎ・あきお)
日本大学理工学部海洋建築工学科特任教授。工学博士。1952年三重県生まれ。日本大学理工学部建築学科卒業、同大学院理工学研究科建築学専攻博士課程修了。著書に『アジアの水辺空間』(共著、鹿島出版会、1999、日本沿岸域学会出版文化賞)、『海水浴と日本人』(中央公論新社、2010)等がある。作品に「マダガスカル民主共和国アンダシベ村ペリネ保護区ビジターセンター」(1993年日本トイレ協会グッドトイレ10特別賞)、「アルミ海の家Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」(2006年イタリア・アルミ構造物国際賞)、「組木茶室一瞬亭」(2015年東京デザイナーズウィークAsiaAward企業賞)など。
*プロフィールは本書刊行時のものです。

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目次

目次
第1章 海と建築と船の関係性
1-1海流が運んだ建築文化, 1-2陸に上がった船, 1-3船から建築へ

第2章 船に魅せられた建築家たち
2-1刳舟から構造船へ, 2-2建築家と船, 2-3コンクリートで船をつくる

第3章 清盛と海と建築
3-1海と厳島神社, 3-2厳島信仰と神社の創建, 3-3平清盛の大造営, 3-4福原の築島

第4章 なぜ海に建てられるのか
4-1海の上の建築, 4-2土地がない, 4-3海の上に建てたい, 4-4土地が海に沈んだ, 4-5軟弱な地盤, 4-6博覧会の開催, 4-7戦争時の海軍軍事施設, 4-8浮かぶ人工海水浴場

第5章 海と陸との関係性を示すもの
5-1海岸線と汀線, 5-2海抜・標高・日本水準原点, 5-3験潮場と検潮所

第6章 建築家が描いた夢・海上都市
6-1海の上をどう使うか, 6-2東京湾に描かれた海上都市構想, 6-3大高正人の東京湾海上帯状都市構想, 6-4東大・丹下健三研究室の「東京計画1960」, 6-5菊竹清訓の「東京湾計画1961」

おわりに 浮かぶ建築の追求, 海と建築の関係を振り返ると

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