ホーム > 長屋から始まる新しい物語

長屋から始まる新しい物語  新刊

長屋から始まる新しい物語
著者 藤田 忍
ジャンル 文化とまちづくり叢書
出版年月日 2023/02/28
ISBN 9784880655406
判型・ページ数 A5並製・160ページ
定価 1,870円(本体1,700円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

忘れられた長屋暮らし? どっこい活きていた! 大阪発 長屋が作る未来型コミュニテイの物語 オールカラー

 大阪の中心地・梅田。ここから徒歩15分ほど北区豊崎の長屋街。一歩踏み入れた途端、著者は目を見張った。緑豊かな土の路地、数棟の長屋。高層ビルに囲まれながら時間が止まったかのようなたたずまい。都会のオアシス。これは残したい、残すべきである……
 そこから著者ら大阪市立大学(現大阪公立大学)の研究者らによる実践研究が始まった。15年間取り組んでいる長屋のリノベーションプロジェクト。11年11回におよぶオープンナガヤイベント。

1部では長屋人の物語が語られる。長屋を舞台の新鮮なライフスタイル。居場所、絵本図書館、癒し教室、交流・福祉事業。
2部では、長屋の空間的・経済的な可能性を探る。
3部では大阪モデルにとどまらず数多くの他事例と連携し、新しい長屋ムーブメントを巻き起こすための戦略を提言する。

【著者】藤田 忍(ふじた・しのぶ)
藤田 忍(ふじた・しのぶ)
大阪市立大学名誉教授。大阪公立大学大学院生活科学研究科客員教授。専門はまちづくり。学術博士。一級建築士。大阪府建築士会まちづくり委員会委員長などを務め、現在特任顧問。都市住宅学会業績賞「大阪長屋の保全・活用技術を発信する 『オープンナガヤ大阪』の連続開催」ほか受賞。

【6章執筆】小池 志保子(こいけ・しほこ)大阪公立大学生活科学研究科教授。建築家、博士(工学)。設計事務所勤務を経てウズラボ共同設立。大阪長屋の再生プロジェクト「豊崎長屋」でグッドデザイン賞サステナブルデザイン賞ほか受賞。著書に『リノベーションの教科書』『竹原義二の視点』など
*プロフィールは本書刊行時のものです。

このページのトップへ

目次

はじめに
1部 長屋人(ながやびと)の物語  ―どんな人が住んで、何を実現しているか
1章 長屋で夢が実現した
1-1 絵と音と言葉のユニット「repair」 豊崎西長屋・日下さんと谷口さん
1-2 家具店+建築アトリエ クラニスム・安藤夫妻
1-3 シェア・アトリエ+長屋ギャラリー カエルハウス・河合夫妻
1-4 住居&建築設計事務所 ヨシナガヤ・吉永さん

2章 まちにひらく、まちをひらく
2-1 美しく楽しい福祉事業所 SAORI 豊崎・金野さん
2-2 まちにひらく“むすびの市” 桃ヶ池4軒長屋・伴さん

3章 まちを豊かに
3-1 長屋のまちのまち歩き 野田まち物語・鈴木さん
3-2 昭和の日のイベント 阿倍野区昭和町・寺西さん
3-3 まちの再生につなげる 空堀倶楽部・六波羅さん
3-4 アーティストによる再生「アマント」北区中崎町・ JINさん

2部 空間的・経済的可能性  ―人と地域の潜在力を引き出す
4 章 長屋と路地のまち
4-1 大阪型近代長屋
4-2 まちに広がる長屋スポット
4-3 長屋と路地……暮らしの魅力
4-4 長屋スポットの定点観察

5章 大家さんにとっての長屋の可能性
5-1 大家さんはどこにいる
5-2 借家経営という不動産モデル
5-3 入居者自己改修システムの可能性
5-4 先進的な長屋大家さんの事例
5-5 大家さんと入居希望者を結ぶのは不動産屋さん

6章 長屋暮らしとリノベーション
6-1 住み続けること
6-2 界壁を動かすリノベーション 須栄広長屋
6-3 豊崎長屋(主屋と20 戸の長屋)と改修設計手法
6-4 長屋という住居形式
6-5 大阪長屋と向き合う建築家たち

3部 次のステップ  ―暮らしをひらくまちづくり
7章 オープンナガヤ大阪編年記
7-1 オープンハウス・ロンドン
7-2 オープンナガヤ大阪
7-3 初動期 2011~
7-4 定着期 2014~
7-5 発展・飛躍期:2016~
7-5 変革期:2020~
7-6 オープンナガヤ大阪の成果

8章 長屋再生のKEY、ネットワークと情報
8-1 オープンナガヤから長屋ネットワークへ
8-2 大阪市大モデルの意義
8-3 創造的不動産情報
8-4 市民による自主ネットワーク
8-5 通年化、多角化の試み 新たな挑戦
8-6 本書のまとめ 大阪長屋のコミュニティ再生戦略
おわりにかえて 大阪長屋再生まちづくりの社会的評価

参考文献

このページのトップへ