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固有価値の地域観光論

京都の文化政策と市民による観光創造

固有価値の地域観光論

外国人観光客への魅力的な地域観光の提供と、観光資源としての固有価値を高めるための新しい観光論

著者 冨本 真理子
ジャンル 文化とまちづくり叢書
出版年月日 2011/05/12
ISBN 9784880652566
判型・ページ数 A5・224ページ
定価 2,970円(本体2,700円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

市民主導の新しい観光政策とは。日常的な生活文化が観光事業の資源となる。
2003年小泉元首相の“観光立国宣言”以降、観光産業は重要な国家戦略として位置づけられている。

本書では観光を国や地域の “固有価値” としてとらえ、京都市における観光政策の変遷と現状を基に調査・研究を行った。
訪日外国人観光客への聞き取り調査や、人材育成の実態調査、フリーペーパーでの取り組みなどデータ・事例満載。文化政策・まちづくりの視点から見えてきた市民主体の新しい観光論は、実務者、研究者ともに必見。

【著者】冨本 真理子(とみもと・まりこ)
1982年南山大学外国語学部イスパニア科卒業。(株)トヨタ自動車、公文式教室経営・指導を経て、2010年京都橘大学大学院文化政策学研究科博士後期課程修了。博士(文化政策学)。2011年より岐阜女子大学非常勤講師。
*プロフィールは本書刊行時のものです。

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目次

はじめに

序 章 新しい観光への期待

第1章 市民主体の新しい観光の発展プロセスとその諸相
    ー「文化政策」と「まちづくり」とに関連づけてー
    1. はじめに
    2. マス・ツーリズムから新しい観光へ
      2-1 オルタナティブ・ツーリズム、サスティナブル・ツーリズムとニューツーリズム
      2-2 日本における新しい観光の先行研究
    3. 観光、まちづくり、文化政策の融合へ
      3-1 観光とまちづくりの融合
      3-2 観光・まちづくりと文化政策の融合
    4. 新しい観光の分析
    5. 「観光」「文化政策」「まちづくり」の接近と融合の背景
    6. まとめ

第2章 固有価値論からみた観光論
    1. はじめに
    2. 地域の個性を活かした内発的発展
    3. ジョン・ラスキンの固有価値論と新しい観光について
      3-1 ジョン・ラスキンの固有価値論
      3-2 文化事業と市民主体の新しい観光事業の類似性
      3-3 市民主体の新しい観光と地域資源活用モデル
      3-4 市民主体の新しい観光の担い手としてのソーシャル・エンタープライズ(社会的企業)
      3-5 固有価値論からみた市民主体の新しい観光の意義
      3-6 固有価値とソフト・パワー
    4. まとめ

第3章 日本と京都における観光政策の変遷と観光の現状
    1. はじめに
    2. 日本の国際観光政策の変遷と観光の現状
      2-1 日本の国際観光政策の変遷
      2-2 日本の国際観光の現状
    3. 京都市の国際観光政策の変遷と観光の現状
      3-1 京都市の観光政策の変遷ー2000年までー
      3-2 京都市の観光政策の変遷ー2000年からー
      3-3 京都市の観光の現状
      3-4 観光振興が京都市にもたらす影響
    4. まとめ

第4章 京都市におけるインバウンド・ツーリズムがめざすもの
    ー現場からの調査を中心としてー
    1. はじめに
    2. 調査の概要と調査項目
    3. 調査結果
      3-1 京都訪問と日本訪問の動機の比較
      3-2 京都および日本の感想
      3-3 京都や日本の観光内容のニーズについての聞き取り調査
    4. まとめ
    資料

第5章 女性たちによる新しい観光事業の創造
    ー京都市におけるインバウンド・ツーリズムの現場からー
    ~ワックジャパンを事例として~
    1. はじめに
    2. 事例検証
      2-1 事例概要
      2-2 起業の経緯
      2-3 人材育成システムとしての講座及び研修制度
      2-4 地域資源活用プログラムの認定
      2-5 京町家への事務所移転と体験コーナーの設置
      2-6 第5回JTB交流文化賞優秀賞の受賞
    3. 聞き取り調査
      3-1 インストラクターのリーダーへの聞き取り調査
      3-2 インストラクター・アテンダントとして活動する人々への聞き取り調査
      3-3 会社代表による当事例についての分析
    4. 事例分析
      4-1 事例の意義
      4-2 事例の成立要件
    5. まとめ

第6章 市民による交流をテーマとした観光事業の創造
    ー京都市におけるインバウンド・ツーリズムの現場からー
    ~春光院・シーコケットを事例として~
    1. はじめに
    2. 禅寺における古くて新しい観光への可能性
      ー臨済宗妙心寺派・本山塔頭・春光院ー
      2-1 観光と寺院
      2-2 禅、日本の仏教・寺院、欧米の仏教
      2-3 春光院の事例検証
      2-4 本事例のまとめ
    3. 外国人と京都をつなぐフリーペーパーの挑戦
      ー国際交流サロン・シーコケットー
      3-1 観光と情報
      3-2 フリーペーパーについて
      3-3 シーコケットの事例検証
      3-4 本事例のまとめ
    4. まとめ

終 章 市民主体の新しい観光から未来に向けて
    1. 市民主体の新しい観光とは
    2. 今なぜ新しい観光なのか
    3. 新しい観光の主体
    4. 残された課題
    5. 終わりに

引用文献一覧
あとがき

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