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文化資本としてのデザイン活動

ラテンアメリカ諸国の新潮流

文化資本としてのデザイン活動

デザイン活動の役割や可能性を、多様性、市民社会、社会包摂などと結びついたラテンアメリカの事例から読み解く

著者 鈴木 美和子
ジャンル 文化とまちづくり叢書
出版年月日 2013/07/01
ISBN 9784880653228
判型・ページ数 A5並製・196ページ
定価 2,750円(本体2,500円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

「デザインの力」は社会を変えるのか?  
ブラジル、コスタリカ、アルゼンチン。これらラテンアメリカの国々はオルタナティブなデザイン活動の先進地域である。格差や貧困といった問題を抱える不安定な社会であるがゆえに、ラテンアメリカのデザイナーたちは社会変革の意識が強く、NPOや社会的企業活動、社会運動、またソーシャルネットワークなどと結びついたデザイン活動が独自の形で展開されている。

本書は社会に大きな変化を与えているデザイナーたちの仕事を通じて、持続可能な社会の構築のためにデザインは何が出来るのかを示す。少子高齢化が進む日本において、これらの事例は新しい社会システムをつくる上での方向性を考えるものであり、デザイン活動の役割や多様性、市民社会、社会包摂などと結びついたラテンアメリカの事例から学ぶ最新刊。

【著者】鈴木 美和子(すずき・みわこ)
多摩美術大学絵画科卒業。立命館大学大学院国際関係研究科博士前期課程修了。大阪市立大学大学院創造都市研究科博士後期課程終了。博士(創造都市)。現在、大阪市立大学大学院創造都市研究科客員研究員。
*プロフィールは本書刊行時のものです。

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目次

はじめに

第1章 新しいフレームとラテンアメリカから考える
1 ウィリアム・モリスの視点に立ち返る
2 学際的理論フレームへ
3 文化資本としてのデザイン
4 なぜランテアメリカなのか

第2章 ブラジル:デザインと工芸の融合
1 可能性と課題の国
2 興隆するデザインの世界
3 工芸活動の活性化がもたらしたもの
(1)工芸への注目と独自の展開
(2)工芸活性化とデザインの工芸化が意味するもの
4 デザインの工芸化と関連する振興政策
(1)主な振興政策
(2)デザインの工芸化を生み出す2つの流れ
5 工芸活性化が開くデザイン活動の可能性
6 多様性・地域性を軸としたデザイン政策

第3章 コスタリカ:起業するデザイナーたち
1 求められる国内産業の育成と多様化
2 デザイナーの需要と供給のギャップ
3 ファッションの世界で起業するデザイナーたち
4 起業を伴ったデザイン活動の意味するもの
(1)相乗効果の創出
(2)国内課題への貢献
(3)生産・消費システムを変化させる
(4)文化システムを変化させる
(5)多様性・地域性を持ち込む相互関係
5 なぜファッション分野なのか
6 起業が海明日デザイン活動の可能性
7 現場から政策へのアプローチを考える

第4章 アルゼンチン:ソーシャルネットワークを生かす
1 社会関係資本と文化資本のフレームから考える
2 経済危機から創造産業振興へ
3 高まるデザイン分野の貢献
(1)中央政府によるデザイン政策
(2)ブエノスアイレス市のデザイン政策とデザイン活動の興隆
(3)地域連携の振興
4 進むネットワーク化
5 ネットワークがデザイン活動を変える
(1)ネットワークが生み出す効果
(2)デザイン活動の民主化
(3)ネットワーク化の背景
6 文化資本の民主的活用へ
7 政策を考える4つの観点
8 創造都市とデザイン活動の民主化

第5章 持続可能な社会への変革モデル
1 デザイン活動から持続可能な循環構造をつくる
(1)デザイン活動の役割
(2)デザイン活動の可能性とオルタナティブな社会経済理論
2 デザイン政策の独自化・民主化へ

おわりに

あとがき
参考文献一覧
索引

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