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医学を基礎とするまちづくり

Medicine-Based Town

医学を基礎とするまちづくり

専門家、情報通信技術者・研究者、市民・NPOとの共同作業により情報を駆使したまちづくりの基礎を構築する

著者 細井 裕司 編著
後藤 春彦 編著
ジャンル 文化とまちづくり叢書
出版年月日 2014/01/18
ISBN 9784880653358
判型・ページ数 A5並製・216ページ
定価 2,970円(本体2,700円+税)
在庫 品切れ・重版未定
 

内容説明

まちづくりが「医学」と出会った!
Medicine-Based Town(MBT)とは「医学を基礎とするまち」のこと。奈良県立医科大学の「住居医学講座」(細井教授)が提唱する概念である。

「住居を、医学という視点から研究する」というコンセプトのもと、住まいにおける『健康』を医学的見地から研究してきた。その成果をさらに発展させ、地域活性化の実践的な試みで知られる早稲田大学(後藤研究室)が手を携えた。

MBTの核心は、医療福祉健康に関するさまざまな機能や情報が病院や施設内、すなわち、建築や敷地の外に開放され、ひろく「まち」中に展開していくものである。その結果、まちそのものを元気にする波及的な効果が期待される。たとえば、空き家化が進む地方都市の中心市街地、歴史的まちなみ保存地区、老朽化が進むかつてのニュータウン、中山間地域の集落などにおけるMBT導入の効果はたいへん大きい。

また、本書では医学の専門家、情報通信技術者・研究者、市民・NPOとの共同作業によりインターネットなどの情報を駆使したまちづくりの基礎を構築する。

【編著】細井 裕司(ほそい・ひろし)
奈良県立医科大学理事長・学長、耳鼻咽喉・頭頸部外科学教授。医学博士。「軟骨伝導聴覚」の発見によりスマートフォンなどの音声伝導装置の開発に寄与。医 学と工学を結びつけた実績から新たに2005年、「住居医学」を提唱、同大に「住居医学講座」を創設し、MBTを提唱している。

【編著】後藤 春彦(ごとう・はるひこ)
早稲田大学参与。同大創造理工学部長・創造理工学研究科長、理工学術院副学術院長。公益社団法人日本都市計画学会会長。特に、都市設計と地域計画の両面から公共空間のデザイン、各自治体や住民参加によるコミュニティ計画の策定など、実践的な研究を多数手がけている。
*プロフィールは本書刊行時のものです。

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目次

はじめに(後藤春彦・早稲田大学建築学科)

序章 MBT(Medicine-Based Town,医学を基礎とするまちづくり)の提唱
住居医学の単葉からMBT(Medicine-Based Town,医学を基礎とするまちづくり)へ(細井裕司・奈良県立医科大学住居医学)
コラム:MBE(医学を基礎とする工学)の代表例 軟骨電動聴覚の発見と世界初の軟骨伝導スマートフォン (細井裕司・奈良県立医科大学住居医学)

1章 医学とまちづくりの出会い
1節 「人体」の健康と「都市」の持続性の追及(後藤春彦・早稲田大学建築学科)
2節 わが国の医療をとりまく環境(遊佐敏彦・奈良県立医科大学住居医学)
3節 地域医療は地域づくりから(佐藤宏亮・早稲田大学建築学科)
4節 地域医療と地域包括ケア(遊佐敏彦・奈良県立医科大学住居医学)

2章 医療拠点をまちに埋め込む
1節 まちなか医療拠点の機能と役割(佐藤宏亮・早稲田大学建築学科)
2節 歴史的町並みの活用(佐藤宏亮・早稲田大学建築学科)
3節 老朽化したニュータウンの再生(佐藤宏亮・早稲田大学建築学科)

3章 圏域資本の強化と弱点の克服
1節 高齢化社会が要請する圏域の再編(佐藤宏亮・早稲田大学建築学科)
2節 医療福祉を支える圏域資本を掘り起こす(佐藤宏亮・早稲田大学建築学科)
3節 ヘルスツーリズムの導入(佐藤宏亮・早稲田大学建築学科)
4節 大規模災害への備え(佐藤宏亮・早稲田大学建築学科)
5節 健康と予防を支える公共交通(佐藤宏亮・早稲田大学建築学科)

4章 医療・介護・予防の包括的連携
1節 地域包括ケアの基本概念(遊佐敏彦・奈良県立医科大学住居医学)
2節 医学のナレッジを活かす(遊佐敏彦・奈良県立医科大学住居医学)

5章 医療と住まいをむすぶICT
1節 ICTによる医療福祉のネットワーク(遊佐敏彦・奈良県立医科大学住居医学)
2節 MBTに導入する情報通信とクラウドネットワークシステム(梅田智広・奈良女子大学社会連携センター)
3節 医療機関と在宅医療・在宅介護を結ぶ医療システム、および在宅医療・在宅介護を見守るセンサー(梅田智広・奈良女子大学社会連携センター)

6章 在宅医療、まちなか医療における医療技術の展開
1節 MBTにおける医学的視点(細井裕司・奈良県立医科大学住居医学)
2節 近未来の産婦人科医療のための「妊婦見守りネットワーク」(小林浩・奈良県立医科大学産婦人科)
3節 無拘束生体計測の原則を踏まえた排尿機能検査機器の開発(平尾佳彦・奈良県立医科大学名誉教授、泌尿器科)
4節 MBTでの慢性心不全のマネージメント(斎藤能彦・奈良県立医科大学循環器科・腎臓・代謝内科)
5節 めまい・平衡情報のセンシングシステム(山中敏彰・奈良県立医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科)

終章 新しい公共空間としてのMBT(医学を基礎とするまちづくり)
 地域再生とMBT(後藤春彦・早稲田大学建築学科)

おわりに (細井裕司・奈良県立医科大学住居医学)

執筆者プロフィール
索引

*肩書きは刊行当時のものです。

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