談 no.109
〈ポスト真実〉時代のメディア・知性・歴史
文化、芸術、思想、科学などについて各界気鋭の論壇を招き、深く掘り下げるワンテーマ誌。
著者 | 公益財団法人 たばこ総合研究センター 編著 西田 亮介 著 飯田 豊 著 武田 徹 著 |
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シリーズ | 談 |
出版年月日 | 2017/07/01 |
ISBN | 9784880654164 |
判型・ページ数 | B5並製・82ページ |
定価 | 880円(本体800円+税) |
在庫 | 在庫あり |
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内容説明
特集 〈ポスト真実〉時代のメディア・知性・歴史
これまで、メディアは私たちのリアリティをつくるものとして論じられてきた。情報がメディア=媒体と一体となってリアリティなるものを構築していると思われてきたのである。一方、トランプ大統領の出現により、メディアに流れる情報の信頼性が大きく毀損されたと考えられる。情報が小分けになるソーシャルメディアとそれを可能にしたスマホ。「真実」が存在するという実感がすでにうすれはじめているのだ。
このような事態に対して、「ポスト真実」「ポスト・トゥルース」といった言葉で現代の状況を捉えようとする見方が出てきた。客観的な事実が必ずしも重要視されない時代になったというのだ。
今こそ、メディアとの付き合い方を考え直さなければならないのではないか。メディアの歴史を研究してきた諸研究者を中心に、メディアおよびジャーナリズムの歴史を紐解きながら、メディアの現在、メディウムそのものの未来を考察する。
目次
西田亮介:東京工業大学リベラルアーツ研究科教育院准教授 「政治についての情報はよく吟味せよ」というメッセージそのものに実効性はないと言い切る識者が見る、現代の情報と大衆社会の関係。
・「ポスト真実〉とメディア・リテラシーの行方」
飯田豊:立命館大学産業社会学部現代社会学科准教授
〈ポスト真実〉の時代は、真実が語られないのではなく、むしろ多くの真実が語られすぎる時代である。このパラドックスは、デジタル社会が胚胎したものだ。ポスト真実とはいかなる事態なのか、デジタル社会およびメディア環境の変容から考察する。
「〈ポスト真実〉…日本語の特性とジャーナリズムから考える」
武田徹:専修大学文学部教授
日本語の人間関係性依存の危うさに気付かず、その土壌の上にソーシャルメディアを受け入れる日本人。共感の共同体が二重に上書きされ,両者の振幅が合えばポスト真実化は一層加速するだろう。そこにあるのは一億総トランプ化だ。