ホーム > 映画のなかのロゴマーク

映画のなかのロゴマーク  新刊

視覚言語と物語の構造

映画のなかのロゴマーク
著者 小谷 充
ジャンル アート・カルチャー
アート・カルチャー > 映画
出版年月日 2021/09/27
ISBN 9784880655147
判型・ページ数 A5並製・176ページ
定価 2,420円(本体2,200円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

Logtype (Logo)+Mark→ロゴマーク(和製英語)。
名刺に刷られた社章、自治体の標章、あらゆる商品に付けられているデザインされた商品名。生活に氾濫しながら埋没し、意識されることのない記号・シンボル。

本書は7本の映画作品を題材に、登場する架空のロゴマークを通し、視覚情報が台詞や演技とは異なる力で物語を生成していることを明らかにする。

7人の侍が掲げた旗は、なぜあのデザインになったのか?友情の終焉を示した? “ぼくらの旗”( 20世紀少年)。現実の企業戦略をしのいで計算し尽くされたモンスターズインク、ゴーストバスターズの企業ロゴ。伊丹十三がこだわったデザイン(スーパーの女)。クローン恐竜と複製適性の高いロゴマーク(ジュラシックパーク)。情報化社会の新しいシンボルのふるまい(サマーウォーズ)。

映画に埋め込まれた視覚言語によってつくりあげられる物語世界の文脈と構造までたどりつく1冊。

本書はタイポグラフィ研究のロングセラー『市川崑のタイポグラフィ「犬神家の一族」の明朝体研究』の著者・小谷充の最新刊。

著者:小谷 充(こたに・みつる)
島根大学学術研究院教育学系教授。1968(昭和43)年、岡山県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科修了後、デザイン制作会社・集合デンに勤務し、DTP部門の立ち上げに参画する。上越教育大学助手、島根大学教育学部准教授を経て2014年より現職。「第6回世界ポスタートリエンナーレトヤマ2000(富山県立近代美術館)」、「大地の芸術祭─越後妻有アートトリエンナーレ2003(新潟県)」への出品のほか、横浜開港資料館等の企画展ポスターを担当。2010年に学生らとBリーグ・島根スサノオマジックのVIマニュアルを共同開発。主な著書に『市川崑のタイポグラフィ:「犬神家の一族」の明朝体研究』(水曜社)。
*プロフィールは本書刊行時のものです。

このページのトップへ

目次

はじめに
シンボルに埋め尽くされた日常/映画のなかの標章

第一章 旗と記号×映画『七人の侍』
戦にひるがえる旗/古代エジプトの標章/卑弥呼の旗と『日本書紀』に記された旗/日本の旗に染め抜かれる家紋/平八が描いた団結と協働のビジョン

第二章 シンボルと紋章×映画『本格冒険科学映画20世紀少年』
ぼくらのマークを取り戻せ/眼のイメージがもたらすもの/手のイメージと指示マーク/シンボルマークの展開と西洋の紋章/ぼくらのマークは取り戻せたのか

第三章 企業表現とCI戦略×映画『モンスターズ・インク』
町一番の大企業・モンスターズ株式会社/企業を表現するCIとは何か/モンスターズ社のシンボル/計画的なVIシステムの開発/モンスターズ社のVIシステム/近代を象徴するCI

第四章 標章と視覚言語×映画『ゴーストバスターズ』
企業名が映画のタイトル/ゴーストバスターズの標章/標章の複製適性/中小企業の皮肉なVI計画/VI導入前後の文脈

第五章 標章による演出×映画『スーパーの女』
伊丹十三とグラフィックデザイン/対立する二つのスーパーマーケット/安売り大魔王のシンボル/正直屋のシンボル/業績の改善を可視化する/シンボルによる大団円の工夫

第六章 企業表現と近代性×映画『ジュラシック・パーク』
架空の恐竜公園は夢のテーマパーク/ジュラシック・パークの標章/大企業の大型プロジェクト/理性と野性の峡間/近代性への批判

第七章 おわりにかえて×映画『サマーウォーズ』
シンボルの拡大と成長/物語を牽引する標章/変化する集団のかたち

参考文献一覧
あとがき

このページのトップへ

関連書籍

市川崑のタイポグラフィ

市川崑のタイポグラフィ

市川崑の明朝体表現の研究書

著者:小谷 充
 
 

このページのトップへ