内容説明
ダーウィンは示さなかった。科学は解き明かせない。
40年の心の旅路を経て、人生をいかに生きるかという命題に答える著者の集大成。
それは、内なる心からの小さな声。やがて、真っ白な紙の上に落とされた一滴の墨汁が、じわじわと広がるように、私の心を支配した。若き科学者として、世界初の太平洋横断光海底ケーブル開発に貢献し、将来を嘱望されていた著者が踏み込んだ、科学では説明できない心の領域。もはや思索だけでは答えをつかむことができない。時は過ぎる……
そんなある日、雨の音を聞くともなく聞いていた時、その音が突然異質なものに変わった。その瞬間、すべてがわかった。自分の追い求めていた生きる意味が、はっきりとわかったのだ。
【著者】望月 清文(もちづき・きよふみ)
1950年生まれ。大阪大学大学院修士課程修了、KDD入社。英国サザンプトン大学客員研究員。KDD研究所にて光ファイバー通信の研究に従事。84年英国電気学会よりIEE論文賞受賞。89年より人間研究に従事。KDD総研取締役、(株)ベルシステム24取締役・総合研究所所長を経て城西国際大学経営情報学部教授(〜2012年)。工学博士。
著書に『3重構造の日本人』(NHK出版)、『生命の進化と精神の進化』(水曜社)、『素粒子の心・細胞の心・アリの心』(水曜社)ほか。
*プロフィールは本書刊行時のものです。
目次
ダーウィンが答えてくれなかった進化の実相。
人間はなぜ意識や、考えるという能力を持ったのか。
第2部 人間誕生の秘密
イメージの鋳型が形作られたことそのことが、
人類が概念の世界を持つことになったことの証拠だった。
第3部 生命探求への科学の限界
感じる世界は、科学が頼りにする時間と空間とを超越して規定されている。
第4部 生命の本質 ——すべてのものに心が宿る
目に見える現象の世界には、空間の壁を越えて、
一斉に何かが起きる現象となって現われてくる。
第5部 本当の私
本当の私は、もう一つ、心の底に沈みこんでひっそりと存在する。
第6部 科学の忘れもの
科学は断続平衡の現象を時間と空間とが支配する世界の中での
因果によって解釈しようとしてきた。
第7部 人が人として生まれてきたことの意味
生命が、どのようにして創造性をもつようになったのか。
生命は、絶えず全体を一つに統合し、調和した世界を作ろうとする。
ジーの告白