ホーム > 日本オペラ史 1953~

日本オペラ史 1953~

日本オペラ史 1953~

1953年の「戦後復興期」から「高度成長期」、そして長引く不況の中で新たな方向性を模索する2006年までの日本オペラの歴史

著者 関根 礼子
昭和音楽大学オペラ研究所
ジャンル オペラ・音楽他
出版年月日 2011/11/15
ISBN 9784880652597
判型・ページ数 A5上製函入・794ページ
定価 13,200円(本体12,000円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

戦後から現在に至る日本オペラの変遷を解説した決定版。
1953年の「戦後復興期」から「高度成長期」、そして長引く不況の中で新たな方向性を模索する2006年までの日本オペラの歴史を記した。 本書は本編と、約600頁の詳細な資料編で構成され、資料編は大規模国内団体、海外団体のみならず芸大・音大やNHKラジオ・テレビで放送されたオペラ、また現存しない団体の演目、指揮者、演出者、出演者などのデータをあますところなく掲載した。これら豊富な資料はインターネット上では検索出来ないものが数多く含まれ、日本オペラ史を研究する上で必要不可欠な情報が網羅されている。本書は前作とあわせ現在手に入れることが出来る最高の資料であり音楽関係者、研究者ら必携の1冊である。

主な特色
1.二期会設立後から現代まで、日本でのオペラ公演を掲載。
2. 地方オペラ団体や現存しない団体の公演資料も充実。
3. 主な日本オペラ作品の一覧やNHKのオペラ放送も掲載。
4. 本文では「二期会」設立以降の日本オペラの歴史を詳説。
5. インターネット上では入手困難な情報が満載。
6. 約800頁の圧倒的なボリューム、他に類書の無い情報量。

【著者】増井敬二(ますい・けいじ)
音楽評論家。1921年東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。1946年からNHK音楽部ディレクター、ラジオのステレオ音楽番組を創始。1958年に第10回イタリア賞を受賞。オペラ放送を数多く手掛けると共に、NHKイタリア歌劇の演出助手を2度務め、また歌劇『寝太』の演出を好評を博す。定年後は、神奈川大、横浜国大、武蔵大、東京声專音楽学校の各講師を務めたほか、音楽評論活動を続ける。
*プロフィールは本書刊行時の物です。

このページのトップへ

目次

刊行にあたって
第1部、第2部 凡例

【第1部】
第1章 1953年からの出発(1953〜1962)
1-1 アカデミックなオペラ運動の始まり
   1-1-1 どういう時代だったか
   1-1-2 二期会
   1-1-3 グルリット・オペラ協会
   1-1-4 東京芸術大学のオペラ開始とニコラ・ルッチ
   1-1-5 声楽家の海外留学、海外での活動の再開
1-2 海外招聘オペラ、戦後のスタート
   1-2-1 NHKイタリア歌劇団
   1-2-2 大阪国際フェスティバル(1958〜)
   1-2-3 パリ・オペラ座(1961)
1-3 活動の広がり
   1-3-1 民間事業、民間支援の始まり
   1-3-2 鑑賞団体の興隆
   1-3-3 制作者の台頭
   1-3-4 ラジオ・テレビの放送オペラと「NHK観劇の夕べ」
   1-3-5 藤原歌劇団
   1-3-6 上演演目の広がりー藤原歌劇団青年グループの発足(1953)など
   1-3-7 創作熱の高まり
   1-3-8 教育オペラ研究会(現・日本オペラ協会)の発足(1958)、国民歌劇協会
   1-3-9 東京文化会館のオープン(1961)
   1-3-10 関西歌劇団、長門美穂歌劇団、ほか

第2章 多様化への道(1963〜1972)
2-1 海外オペラ「引越し公演」の始まり
   2-1-1 ベルリン・ドイツ・オペラ(1963、1966、1970)
   2-1-2 ボリショイ劇場(1970)ほか
2-2 世代の交替期、個人から団体の時代へとゆるやかに進む
   2-2-1 藤原義江の引退と藤原歌劇団のその後
   2-2-2 二期会の変転
   2-2-3 国民歌劇、ほか
2-3 オペラ団体の増加と多様化
   2-3-1 新しい団体、次々に旗揚げ(東京)
   2-3-2 関西二期会(1964〜)ほか二期会地方支部の発足
   2-3-3 鑑賞団体の動き
2-4 国庫助成の開始
   2-4-1 文部省「青少年芸術劇場」スタート
   2-4-2 文化庁設置(1968)
2-5 地方自治体の参画と地域の動き
   2-5-1 東京都オペラ・シーズンの開始(1969)
   2-5-2 ホールの建設が全国的に進む
   2-5-3 大分県民オペラ協会の発足(1967)とほかの地域オペラ

第3章 支持基盤の広がり(1973〜1983)
3-1 文化庁の助成活動
   3-1-1 団体の財団法人化が進む
   3-1-2 オペラ研修所の設置(1976)
   3-1-3 オペラ事務連絡会議(現・日本オペラ連盟)発足(1976)
   3-1-4 音楽議員連盟の発足(1977)
3-2 活動の模索
   3-2-1 「引越し公演」の定着
   3-2-2 藤原歌劇団
   3-2-3 二期会
3-3 日生劇場のオペラ活動、ほかの新生グループなど
   3-3-1 日生劇場
   3-3-2 モーツァルト30年の集大成
   3-3-3 劇場スタッフ、制作などの裏方の定着
   3-3-4 新しい団体の誕生(東京)
3-4 地方の動き
   3-4-1 アルカイックホール、関西のオペラの拠点に
   3-4-2 九州オペラ・フェスティバルの開催(1982)
   3-4-3 「市民オペラ」各地に誕生
3-5 「創作オペラ」の向上と広がり
   3-5-1 創作オペラ協会最期の輝き(最終公演1982)
   3-5-2 再演物の増加
   3-5-3 新作の多様化
3-6 経済発展のもたらしたもの
   3-6-1 音楽大学の増加とそのオペラ公演
   3-6-2 海外招聘オペラの増加
   3-6-3 海外旅行の普及と聴衆の増加

第4章 今日への道(1984〜現在まで・概観)
4-1 公演数の増加と全国化が進む
   4-1-1 バブル経済時代の「オペラブーム」
   4-1-2 バブルがはじけて残ったもの
   4-1-3 公演数の増加と全国化
   4-1-4 全国オペラフォーラムの発足(1996)
4-2 内容の充実
   4-2-1 藤原歌劇団
   4-2-2 字幕つき原語上演の普及と定着
   4-2-3 二期会
   4-2-4 国際交流の日常化〜「外来オペラ」の変化など
   4-2-5 本格的なオペラ劇場の建設
4-3 助成の広がり
   4-3-1 日本芸術文化振興基金の発足(1990)
   4-3-2 企業メセナの定着
   4-3-3 文化庁「アーツプラン21」(1996〜)
4-4 新国立劇場の完成
   4-4-1 建物の概要とオープニング(1997)
   4-4-2 建設までの経過
   4-4-3 シーズン開始(1998)と最初期の活動
4-5 これからのことなど
   4-5-1 日本のオペラ鳥瞰図
   4-5-2 「運動」の時代は終わったのか


【第2部】1984年から2006年まで(年別)
1984(昭和59)年ー藤原歌劇団創立50年
1985(昭和60)年ーマスカーニ《イリス》、団体合同で日本初演
1986(昭和61)年ー本格的字幕スタート
1987(昭和62)年ー《ニーベルングの指輪》国内初の一挙上演
1988(昭和63)年ー華やかな話題が続く
1989(昭和64、平成元)年ー大型イベント・オペラが相次ぐ
1990(平成2)年ー日本芸術文化振興基金発足
1991(平成3)年ー盛り上がるモーツァルト・イヤー
1992(平成4)年ー多面舞台、日本初登場
1993(平成5)年ー海外招聘、国内制作ともに活況
1994(平成6)年ー新劇場、次々オープン
1995(平成7)年ー阪神・淡路大震災で打撃
1996(平成8)年ー新国立劇場オープンへの期待と不安渦巻く
1997(平成9)年ーついにオープン、新国立劇場
1998(平成10)年ー新国立劇場の多大な波及効果
1999(平成11)年ー共存の模索
2000(平成12)年ーオペラ400年
2000(平成13)年ーヴェルディ没後100年
2000(平成14)年ー二期会創立50周年
2000(平成15)年ー日本人のオペラ活動100年
2000(平成16)年ー世界オペラ市場のなかの日本
2000(平成17)年ー百花繚乱の陰に財政困窮
2000(平成18)年ー激化する販売合戦と内容の充実


【第3部】資料編
第3部 目次
第3部 凡例
第3部 本編
国内団体1(大規模)
 愛知県文化振興事業団
 大阪音楽大学ザ・カレッジ・オペラハウス
 関西歌劇団
 関西二期会
 サイトウ・キネン・フェスティバル松本
 サントリーホール
 新国立劇場(シーズン公演、開場記念公演、地域招聘公演、芸術祭関連)
 新国立劇場(小劇場オペラ)
 新国立劇場(高校性のためのオペラ鑑賞教室)
 新国立劇場(こどものためのオペラ劇場)
 東京室内歌劇場
 東京室内歌劇場(海外公演)
 二期会(現・東京二期会)
 二期会(海外公演)
 日生劇場
 日本オペラ協会
 日本オペレッタ協会
 びわ湖ホール
 藤原歌劇団
 藤原歌劇団(海外公演)
 Bunkamuraオペラ劇場
 ヘネシー・オペラ・シリーズ

国内団体2(中小規模)
 北海道二期会
 大分県県民オペラ協会
 名古屋二期会
 鹿児島オペラ協会
 藤沢市民オペラ
 オペラシアター・こんにゃく座
 オペラシアター・こんにゃく座(海外公演)
 東京オペラプロデュース
 仙台オペラ協会
 堺シティオペラ
 モーツァルト劇場
 横浜シティオペラ
 ニュー・オペラシアター神戸
 首都オペラ

国内団体3(鑑賞団体)
 都民劇場
 東京労音
 民主音楽協会

国内団体4(現存しない団体)
 国民歌劇協会
 長門美保歌劇団
 グルリット・オペラ協会
 青年グループ
 原信子歌劇研究所
 創作オペラ協会
 ステファノ・オペラ
 東京室内オペラ協会

国内団体5(大学オペラ)
 東京藝術大学
 昭和音楽大学
 国立音楽大学
 大学オペラの最近の主な公演

海外招聘オペラ
 イタリア歌劇団
 パリ・オペラ座
 ベルリン・ドイツ・オペラ
 ミラノ室内歌劇団
 スラブ歌劇
 ローマ室内歌劇団
 ボリショイ・オペラ
 ミュンヘン・オペラ(バイエルン国立歌劇場)
 メトロポリタン・オペラ
 ベルリン国立歌劇場
 モスクワ・オペラ
 ウィーン国立フォルクスオーパー
 英国ロイヤルオペラ
 ウィーン国立歌劇場
 ドレスデン国立歌劇場
 ミラノ・スカラ座
 ハンブルグ国立歌劇場
 バイエルン国立ゲルトナープラッツ劇場
 ベルリン・コーミッシェ・オーパー
 ボローニャ歌劇場
 キーロフ・オペラ、マリインスキー・オペラ
 フィレンツェ歌劇場
 フェニーチェ歌劇場

海外招聘オペラ一覧1956〜2006
NHK放送オペラ
主な日本作品(作曲家別)


主な参考文献
取材協力、資料・写真提供
あとがき
索引

このページのトップへ

関連書籍

日本オペラ史~1952

日本オペラ史~1952

明治のオペラ移入期から二期会成立まで

 
 

このページのトップへ