内容説明
日本のプロ野球をセイバーメトリクスで考える分析リポート集 第3弾
セイバーメトリクスの基礎解説テキスト&2014年シーズンの選手成績の予測を収録。また“NPB向けWAR"の算出過程を、米国での最新研究成果を反映しアップデート。
主観や経験則から離れ、統計学などに基づく客観的な判断で野球の戦略・戦術をとらえ直す分析手法「セイバーメトリクス」。2011年にはアカデミー賞ノミネート作品「マネーボール」に登場し話題となり、2013年もその考え方を導入しているボストン・レッドソックスや東北楽天ゴールデンイーグルスが日米でそろって好成績を挙げ、ますます注目度は高まっています。
本書は日本屈指のアナリストが日本のプロ野球に関する各テーマについて、セイバーメトリクスを用いて検討したリポート集の第3弾。セイバーメトリクス的な野球のとらえ方を、論考を通じ知ることができる1冊です。
「リポート3」の読みどころ
(1)リポートの理解を助けるセイバーメトリクスの基礎解説テキスト
(2)「リポート1」「2」に続く、DELTAアナリスト・蛭川皓平氏の予測モデルに基づく2014年シーズンの選手の成績予測
(3)前作「リポート2」より算出を開始した日本のプロ野球を対象とした“WAR(Wins Above Replacement)"の精度を高める改修
[WAR(Wins Above Replacement=勝利数代替水準対比)とは]
打撃・走塁・守備・投球などあらゆるプレーによる貢献度を総合的に評価し、最終的に選手がどれだけチームの勝利を増やしたかを評価する指標。WAR=0は、最低限のコストでいつでも代わりが準備できるレベルの選手が果たせる貢献度に設定されている。WARの値は、それと比べどれだけチームの勝利数を増やしたかという意味になる。WARが2.0の選手なら、最低限のコストで確保できる選手が同じだけ試合に出場した場合に比べ、年間でチームに2勝多くもたらしたことになる。
米国では、WARは研究の進展を反映し毎年更新されている。その情勢を鑑みて「リポート3」では“NPB向けWAR"の改修を実施。選手個々が与えた「勝利」に対するインパクトをより精密に数値化し、移籍による戦力変動や将来的な展望を科学的に把握するためのヒントを提供する。
【著者】岡田 友輔(おかだ・ゆうすけ)他
スポーツデータ分析会社DELTA(デルタ)代表。2002〜07年にかけて番組制作会社で日本テレビ プロ野球中継用のデータ制作を担当。 その後スポーツデータ配信会社を経て、2011年スポーツデータの分析を手がける合同会社DELTAを設立。 スポーツにデータ分析が採り入れられる環境づくりに取り組む
目次
はじめに
チームスタッツ チーム編成表・成績予測
リーグデータ パ・リーグ(2013)
東北楽天ゴールデンイーグルス
埼玉西武ライオンズ
千葉ロッテマリーンズ
福岡ソフトバンクホークス
オリックス・バファローズ
北海道日本ハムファイターズ
リーグデータ セ・リーグ(2013)
読売ジャイアンツ
阪神タイガース
広島東洋カープ
中日ドラゴンズ
横浜DeNAベイスターズ
東京ヤクルトスワローズ
リポート
01 WAR 改修のポイント(蛭川皓平・岡田友輔)
02 投手の成績を予測する簡単な方法(蛭川皓平)
03 ランダムソート13-14(三宅博人)
04 2014年度 新外国人選手紹介と活躍の予想(水島 仁)
05 統一球の変化とフライの飛距離(Student)
06 FIP 第4の構成要素としての内野フライ(Student)
07 続・BABIP を掘り下げる(Student)
08 ゴールデングラブ賞と UZR(Student)
09 甲子園における球数管理(高多薪吾)
10 2010年以降の環境変化と采配傾向(岡田友輔)