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談 no.105

科学を科学する 領域を超えて

談 no.105

文化、芸術、思想、科学などについて各界気鋭の論壇を招き、深く掘り下げるワンテーマ誌。

著者 公益財団法人 たばこ総合研究センター 編著
隠岐 さや香
神里 達博
シリーズ
出版年月日 2016/03/10
ISBN 9784880653839
判型・ページ数 B5・82ページ
定価 本体800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

〈現代社会と科学の役割〉
科学と市民参加…不確実性の時代の良きパートナーとして
神里達博(千葉大学教授)
地球温暖化は、不確実性が大きい公共的な課題である。ましてや、大地震のような自然災害は、最新の科学をもってしても、解決が難しい難題だ。国土に潜むリスクを前にして、理性の限界を意識せざるを得ない。そこで一般市民の知恵を活用する動きが出てきた。たとえば、参加型民主主義の試みである「討論型世論調査(DP)」もその一つ。現代社会においてますます重要になる科学への市民参加について、いくつかの方法を事例に考える。

〈科学という「知」はどう営まれていたか〉
職業としての科学者…その歴史から見る現代
隠岐さや香(広島大学大学院総合科学研究科准教授)
科学者という職業に焦点を当てる。科学者がいかに構想され、制度的な位置を与えられたのか。科学者とは、そもそもどのような存在なのか。そして、いつから社会に登場してきたのか。科学が社会のなかで、いかなる立ち位置を獲得していったか、現代にまで引き継がれる科学と社会の関係を、科学者の誕生という補助線を頼りに紐解く。

〈科学の内実と概念の創造〉
科学のシニシズムに抗して…エピステモロジーの挑戦
近藤和敬 (鹿児島大学法文学部人文学科准教授)
「具体としての自然」を認識することから出発するエピステモロジーは、自然科学の陥穽に陥ることなく、自然に内在する生成の概念を抽出し、諸問題へとリンクを張り続ける。このネットワーク的探求にエピステモロジーの可能性を見出し、科学を新たな枠組みから位置づけ直す。

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内容説明

特集「科学を科学する……領域を超えて」自然科学の内部において、近代的な知の枠組みの不十分さが露呈する。人間存在を基礎とする哲学は、現代の科学の進展に対して、合理的説明を与える役割機能を果たせなくなってきた。少なくとも、自然科学の進展によって明らかになりつつある「具体の自然」を前にして、従来の認識枠組みは、すでに十分に失効していると言わざるを得ない。
この現状にあって、人間と自然、認識と真理の間に受け入れられてきた関係を、今こそ問い直すことが必要ではないか。
新たな知の枠組みの〈再〉構築が希求される。エピステモロジー、科学技術史、科学技術社会論の分野から、科学の内部に分け入り、次なる時代の科学を展望する。

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