ホーム > それも一局

それも一局

弟子たちが語る「木谷道場」のおしえ

それも一局

多彩な才能をもつ個性豊 かな棋士たちを育てた大棋士・木谷實九段の教えとはどのようなものだったのか?

著者 内藤 由起子
ジャンル アート・カルチャー
出版年月日 2016/10/05
ISBN 9784880653969
判型・ページ数 4-6並製・240ページ
定価 1,760円(本体1,600円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

昭和から平成にかけて囲碁界を席巻した棋士たちの原点「木谷道場」。「美学」の大竹英雄、「コンピュータ」の石田芳夫、「宇宙流」の武宮正樹、「殺し屋」と呼ばれた加藤正夫、常識を覆した「小林流」の小林光一、「大三冠」趙治勲の勝負魂など、多彩な才能をもつ個性豊かな棋士たちを育てた大棋士・木谷實九段の教えとはどのようなものだったのか?

「それも一局だね」とは、木谷がよく口にしていた言葉。そこには、「それも一つの人生だね」という意も込められており、内弟子の長所を伸ばす育て方をした木谷を象徴している。本書は、現代囲碁の発展に寄与した棋士・木谷實と木谷道場の魅力を弟子たちの証言から綴る囲碁ファン必読の書。

【著者】内藤由起子(ないとう・ゆきこ)
囲碁観戦記者・囲碁ライター。神奈川県平塚市出身。お茶の水女子大学囲碁部OG。朝日新聞紙上で囲碁名人戦観戦記を担当。囲碁将棋チャンネル「本因坊家特集」に出演中。数少ない女性観戦記者の目線で、棋士の世界や囲碁の魅力を発信し続けている。 著書に「囲碁の人ってどんなヒト?」(毎日コミュニケーションズ)。
*プロフィールは本書刊行時の物です。

このページのトップへ

目次

1章 大竹英雄と木谷實の奇縁 
大竹七段と大竹少年/大竹英雄の入門/大竹英雄が語る木谷夫妻/人前では
きちっと遊ぶ/1億総先生/戦後の木谷道場で過ごした大谷英雄/北九州に
一時帰郷/囲碁界のために

2章 戦後初の内弟子 戸沢昭宣
北海道・函館から大家族の一員に/大竹英雄とともに

3章 木谷の宿願果たした石田芳夫
門下初のビッグタイトル/碁を覚えて1年で内弟子に/木谷のロケット集団/
栄養本位の食事/料理の手際のよさを褒められる/木谷門下生、タイトル戦に
登場/石田芳夫も怒られた/石田芳夫の独立/木谷、2度目の脳溢血/弟子の
碁を見る木谷/木谷、最後のとき/大竹少年を探した木谷
【棋譜】昭和50(1975)年11月12日〜11月13日 旧・名人戦 挑戦手合第
    7局

4章 尾の跳ね上がった鯛 宮沢吾朗
快晴の摩周湖/渡りに船/兄弟子たちからの洗礼/お話にならないなあ……/一生
でも時間は足りない/大好きな木谷先生は神様/自問自答の世界

5章 門下の出世頭 小林光一
木谷、招集される/小林光一の入門/2度目の脳溢血/まず、天狗の鼻をへし折ら
れた内弟子生活/「国へ帰す」が切り札/情熱はあるか/子どもの個性を尊重

6章 師匠の言葉を胸に刻む小川誠子
木谷道場が四谷に移転/おかっぱ本因坊、内弟子となる/女性の弟子の生活/美春
のしつけ/四時間の説教/「勇気を出しなさい」/取柄はキャベツの千切り/
「僕は強くなれると思う?」/努力家の小林光一

7章 弟子を育てて恩返し 趙治勲
6歳で内弟子に/内弟子生活/師匠としての木谷/弟子を育てる

8章 3人の師に恵まれた武宮正樹
木谷との出会い/麻雀で説教される/三人の師の存在/仲間の思い出

9章 内弟子生活を送った三男 木谷正道
木谷の実子は七人七色/毎日が合宿/だれが実の子?/「お母様」と「先生」/
印象に残る天才児・趙治勲と敬愛する加藤正夫/「それも一局」/捨て育ちで良
かった

10章 木谷道場で学んだ人たち
[「弟子一号」の娘 武久喜代美]スパルタ教育/木谷道場へ/親のあとを継ぐ
[女流アマ選手権者 金井和子]囲碁との出会い/木谷禮子と出会い/木谷道場の
               思い出
[北海道での普及活動で恩返し 伊藤明雄]趙治勲と一緒に/木谷道場の兄弟弟子
                    たち/普及で恩返し
11章 海外の子どたちの夢をお手伝い 小林千寿
6歳で内弟子志願/内弟子生活/木谷先生と美春お母様/視線は世界へ/木谷の念
願だった海外普及

12章 偉大な先輩たちに囲まれて 小林覚
4人姉弟は皆木谷一門/夕ご飯は30人前/趙治勲に影響を受ける/エリート集団で
はなかった木谷道場/小林覚少年を育んだ環境/木谷實との思い出/木谷道場の懐の
深さ

13章 木谷道場の奇跡 信田成仁
木谷道場初日/小林覚との縁/「信田くん!何してるの!」/朝の風景/食事の風景/
趙治勲は恩人/劇的な園田の入段

14章 木谷門下最後の内弟子 園田泰隆
姉がお手伝いとして/一人だけ年が離れた内弟子/「恐い」できごと/平塚へ転居/
通夜の日に決まった入段から独立まで

15章 午後2時の男 三留喜代司
ご縁のきっかけ/お相手は?/ご神体にカミソリを当てる心境/「まっすぐ帰ってく
ださい」

16章 次代を育んだ小林禮子
木谷の実子で唯一の棋士/結婚までの苦難/夫・光一を支える生活/禮子が語った木谷
實/母としての禮子
【棋譜】昭和35(1960)年7月12日
    
17章 次代につなぐ
鳳雛戦/小林光一と弟子たち/木谷實を継承する孫弟子たち

18章 木谷家とのご縁
ご縁の始まり/趙治勲先生の指導碁/土曜木谷会の思い出/木谷会合宿のこと/木谷家
の居間にて

おわりに

(巻末資料)木谷一門名簿/木谷一門孫弟子名簿/木谷一門の七大タイトル戦歴/木谷實年譜
参考文献一覧・写真提供元一覧

このページのトップへ