ホーム > 公共ホールと劇場・音楽堂法

公共ホールと劇場・音楽堂法

文化政策の法的基盤 II

公共ホールと劇場・音楽堂法

「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」が成立。ホールの運営はどう変わるのか。その条文をわかりやすく逐条解説する

著者 根木 昭
佐藤 良子
ジャンル 文化とまちづくり叢書
出版年月日 2013/04/18
ISBN 9784880653143
判型・ページ数 A5並製・278ページ
定価 2,750円(本体2,500円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

この国の文化水準を高めていくために、文化施設はどうあるべきか。舞台芸術の発展と活性化には何が必要なのか。

「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律(劇場法)」が成立し、図書館や博物館のような根拠法がなかった劇場や音楽ホールに法的な裏付けが出来た。また劇場の活性化における国や自治体の責任も明記された。
この法律では、劇場や音楽ホールを単なるハコモノと捉えず、公演を企画制作する機関であると規定し、企画立案、マネジメント、照明・音響などの専門的な人材の育成や確保も求めている。
本書は文化政策学の第一人者が「劇場法」についてその条文をわかりやすく逐条解説。劇場、ホールをはじめとする公共文化施設に関わる人、必読の最新刊。

【著者】根木 昭(ねき・あきら)
昭和音楽大学教授。東京藝術大学・長岡技術科学大学名誉教授。法学博士。専攻は文化政策論。1943年岡山県生 まれ。大阪大学法学部卒業。旧文部省各局、 文化庁、長岡技術科学大学・東京藝術大学教授を経て、2010年から現職。著書に、『文化政策学入門』(2010年)、『文化政策の展開』(編著、 2007年)、『文化行政法の展開』(2005年)、『文化政策の法的基盤』(2003年)、『文化財政策概論』(編著、2002年)、『日本の文化政 策』(2001年)ほか。

【著者】佐藤 良子(さとう・よしこ)
昭和音楽大学助教。学術博士。専攻は舞台芸術政策論。1982年兵庫県生まれ。京都市立芸術大学音楽学部(ピアノ専攻)、同大学院音楽研究科修士課程(ピ アノ専攻)を経て、2010年東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程(応用音楽学)修了。昭和音楽大学研究員を経て、2012年から現職。論文に、「文化芸術活動への公的支援の枠組み」、「文化施設における人材の育成方策に関する一考察」、「公立文化施設の類型と地域における芸術家育成の可能性」ほか。
*プロフィールは本書刊行時のものです。

このページのトップへ

目次

はじめに

序章 劇場、音楽堂等に関する法制と制度的課題
第1節 劇場、音楽堂等に関する法制
第2節 劇場、音楽堂等に関する制度的課題

第1部 「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」制定の経緯
第1章 第3次「文化芸術振興基本方針」における提言
第1節 舞台芸術ワーキンググループの「意見のまとめ」
第2節 文化審議会文化政策部会の「審議経過報告」
第3節 第3次「文化芸術振興基本方針」

第2章 関係団体による立法化の提案
第1節 「芸団協」の提言
第2節 「公文協」の提言

第3章 「文化庁検討会まとめ」による方向付け
第1節 「文化庁検討会まとめ」の構成
第2節 劇場、音楽堂等に係る現状及び課題
第3節 基本的な考え方
第4節 法的基盤の内容として考えられる事項
第5節 劇場、音楽堂等の運営に係る留意事項等

第4章 音楽議員連盟による議員立法と文部科学副大臣通知
第1節 音楽議員連盟による国会上程
第2節 国会の審議
第3節 公布・施行に伴う文部科学副大臣通知

第2部 「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」の構造と内容
第5章 「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」の性格と構造
第1節 本法の対象範囲と性格
第2節 「前文」の構造
第3節 「総則」の構造
第4節 「基本的施策」の構造
第5節 「附則」の内容

第6章 前文 本法制定の趣旨等
第1節 劇場、音楽堂等の整備の経過ー第1段落ー
第2節 劇場、音楽堂等の役割・機能・意義ー第2段落〜第4段落ー
第3節 実演芸術の意義ー第5段落ー
第4節 劇場、音楽堂等を巡る課題と改善・克服の方向ー第6段落〜第8段落ー
第5節 本法制定の趣旨ー第9段落ー

第7章 総則 劇場、音楽堂等の定義、事業、関係主体の役割等
第1節 本法の目的ー第1条ー
第2節 劇場、音楽堂等及び実演芸術の定義ー第2条ー
第3節 劇場、音楽堂等の事業ー第3条ー
第4節 劇場、音楽堂等の関係主体の役割ー第4条〜第7条ー
第5節 関係主体の相互の連携と協力ー第8条ー
第6節 国及び地方公共団体の措置ー第9条ー

第8章 基本的施策 実演芸術の振興、人材の養成、鑑賞者の育成、指針等
第1節 実演芸術の振興等ー基本法第10条〜第12条ー
第2節 専門的人材の養成・確保等ー第13条ー
第3節 鑑賞者の育成等ー第14条及び第15条ー
第4節 文部科学大臣による「指針」ー第16条ー

第9章 「劇場、音楽堂等の活性化のための取組に関する指針(案)」の概要
第1節 前文の内容と用語の定義
第2節 設置者又は運営者の取組に関する事項
第3節 国、地方公共団体の取組等に関する事項

第3部 参考資料
・劇場、音楽堂等の活性化に関する法律
・劇場、音楽堂等の事業の活性化のための取組に関する指針(案)
・文部科学副大臣通知
・「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律の施行について(通知)」(抄)
・文化芸術振興基本法(抄)
・独立行政法人日本芸術文化振興会法(抄)
・地方自治法(抄)
・文部科学省設置法(抄)
・文部科学省組織令(抄)
・劇場、音楽堂等の制度的な在り方に関する検討会
・「劇場、音楽堂等の制度的な在り方に関するまとめ」
・文化芸術の振興に関する基本的な方針(第3次基本方針)(抄)
・文化審議会文化政策部会「審議経過報告」(抄)
・文化審議会文化政策部会舞台芸術ワーキンググループ「意見のまとめ」(抄)
・社団法人日本芸能実演家団体協議会「社会の活力と創造的な発展をつくりだす劇場法(仮称)の提言」(抄)
・社団法人全国公立文化施設協会課題検討委員会「文化施設の法的基盤の整備に関する提言」(抄)


参考文献
索引

このページのトップへ

関連書籍

改正博物館法詳説・Q&A

改正博物館法詳説・Q&A

ミュージアムと学芸員のあり方が変わる

著者:博物館法令研究会 編著
 
文化芸術基本法の成立と文化政策

文化芸術基本法の成立と文化政策

「改正基本法」の役割と目指すところとは

著者:河村 建夫 編著
伊藤 信太郎 編著
 
 
文化芸術振興の基本法と条例

文化芸術振興の基本法と条例

地方自治体がなすべき取り組み

著者:根木 昭
佐藤 良子
 
文化政策学入門

文化政策学入門

初の文化政策学の入門書

著者:根木 昭
 
 
文化行政法の展開

文化行政法の展開

行政法学の観点から文化行政法を考察

著者:根木 昭
 
文化政策の法的基盤

文化政策の法的基盤

文化政策研究にあたる者に好適なテキスト

著者:根木 昭
 
 

このページのトップへ