災害資本主義と「復興災害」
人間復興と地域生活再生のために
災害復興において発生する過剰な「開発・成長ビジネス」からの脱却と、持続可能な社会へ向かうには何が必要なのか
著者 | 池田 清 著 |
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ジャンル | 文化とまちづくり叢書 |
出版年月日 | 2014/10/08 |
ISBN | 9784880653457 |
判型・ページ数 | A5並製・244ページ |
定価 | 2,970円(本体2,700円+税) |
在庫 | 在庫あり |
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内容説明
災害復興において、それに便乗し過剰な「開発・成長ビジネス」が発生する。
そこからの脱却と持続可能な社会へ向かうには何が必要なのか。
現代に本当の災厄をもたらしているのは、惨事便乗型資本主義である。自然災害や人為的な戦争やクーデターなどの大惨事につけこんで、疲弊した地域に巨大資本が入り込み、復興を名目に暴利をむさぼる。住民が気づいたときには既に遅く、簒奪の構図ができあがってる……。
ここに「復興災害」が生まれる。「異常の日常化と日常の異常化」という現代的災害状況の中から、いかにして人間が復興し「人間らしい生活」をすることができるのか。大惨事便乗ビジネスに警鐘を鳴らし、私たちが生かされてきた憲法と、その地の文化的伝統を活かす復興を提唱する。
【著者】池田 清(いけだ・きよし)
大阪市生まれ。関西学院大学経済学部卒、経済学博士(京都大学)。北九州市立大学法学部、下関市立大学経済学部の教授を経て、神戸松蔭女子学院大学人間科学部教授。専門は都市政策。
*プロフィールは本書刊行時のものです。
目次
序論 災害資本主義の悲劇ーそれを克服する方向性を求めて
第1部 災害資本主義
第1章 日本の災害思想と災害理論
第2章 災害資本主義
第3章 災害資本主義ー大恐慌と戦争ー
第4章 原子力エネルギーとソディの経済学
第5章 核技術と原子力エネルギーシステムの形成史
第2部 「開発・成長型復興」と「復興災害」
第6章 関東大震災の「開発・成長型復興」と「復興災害」
第7章 戦後の「開発・成長型復興」と「復興災害」
第8章 阪神・淡路大震災の「開発・成長型復興」と「復興災害」
第9章 東日本大震災の「開発・成長型復興」と「復興災害」
第3部 憲法復興学
第10章 大恐慌、戦争と憲法
第11章 憲法復興学と公共政策
第12章 憲法復興学と「人間復興思想」、「被ばくの思想」
第4部 再生への道
第13章 憲法復興学と「知」、「倫理」
第14章 憲法復興学と新しい社会を構想した人々
第15章 人間発達の知識結
補論 宮澤賢治と金子みすゞー文明と文化のはざまでー
おわりに
索引