内容説明
本書は、ごく普通の人が学問の世界に迷い込み、さながら「わらじを履いた小僧が学の舞踏会で乱舞する様子」を描いた大学教授挑戦の実践録です。
一介のビジネスマンが大学教授に転身するには何が必要なのか、公募試験をクリアするにはどうしたら良いのか、大学教授の実務とはどのようなものか。 これから大学教授を目指す人に“必ず役立つ”体験談をまとめました。 本書は元気でハッピーな生き方の見本です!
【著者】中橋 文夫(なかはし・ふみお)
鳥取環境大学環境学部 環境学科教授、NPO法人国際造園研究センター理事。 1952年佐賀県生まれ。環境設計に勤めながら、関西学院大学大学院総合政策研究科博士課程修了。 56歳で鳥取環境大学教員公募に応募、現在に至る。専門は造園論。鳥取大火・地震から復興した、都市防災計画として緑の柔構造都市論を提唱。 その傍ら空手道場拳文塾を主宰し「戦うランドスケープアーキテクト」を公言する。
*プロフィールは本書刊行時のものです。
目次
1章 わずかなチャンスをモノにした
大学教授になった瞬間/大学教授応募のきっかけ/マイナスからのスタート/高校教員に憧れる/私の大学教授像/望まれる実務家教員像/公募に妻の後押し/業績書はこう書いた/経験を書き込んだ/審査はこうして突破した/学ぶ環境を変えた/準備はこうした
2章 体験型スキルアップの方法
普通科高校に行けなかった/技術はこうして磨いた/下目に見られる楽しさ/資格に挑んだ/論文に挑んだ/学校に行った/海外に出た/仕事はこうした/仕事は赤字の連続だった
3章 クロスボーダー世界の社会人大学院
社会人大学院があった/入学試験と受け入れ態勢/授業風景/修士課程/博士課程/金策はこうした/工夫はこうした/趣味を活かした/論文はこう書いた/失敗を掘り下げた/眠れる資源を活かした/論文はこう鍛えた/落第論文はこう再生した/造園学会に学び賢人を追った/論理的に説得した
4章 崖っぷちで博士論文を書いた
博士論文とは/骨太な研究を狙う/経営の視点を持った/デジタルとアナログの併用を/荒れるパパを鎮めて/指導教官とは夜討ち朝駆け/お引取り寸前の博士論文/書き上げた博士論文/博士論文で技術営業/出版社との格闘/大学教授への芽生え
5章 大学教授の仕事は曼荼羅模様
大学教授の準備/大学と会社の違いに戸惑う/勉強してお金がもらえ、管理されない/仕事の四本柱/汗を流し露出度を高める/研究と人材を世に送る/研究室は商店街、学生はお客様/教授は最高の営業マン
6章 大学教授の立ち居ふるまい
授業・研究との取り組み方/学生とのふれあいは人生の宝物/憧れの教員とは/学生が喜ぶ授業とは/外の空気を吸い学生に還元/追われる教授/新風を吹き込み常にバランス感覚を/流域ランドスケープ論の立ち上げ/朱に交わらず反骨精神は旺盛に/筋を通す/実務家教員の落とし穴/馬脚を繕いながらも
7章 大学教授になれた理由(わけ)
野生の視点を持った/書いた/動いた/挑んだ/世話役が活きた/出稽古に出た/守(しゅ)・破(は)・離(り)を貫いた/運命よどけ、そこは俺が通る
おわりに/謝辞