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自動車産業の技術アウトソーシング戦略

現場視点によるアプローチ

自動車産業の技術アウトソーシング戦略

基幹技術の聖域に切り込む再生・発展戦略

著者 太田 信義
ジャンル 社会
出版年月日 2016/10/25
ISBN 9784880653938
判型・ページ数 A5並製・204ページ
定価 3,080円(本体2,800円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

「ものづくり」に強みを持つといわれてきた日本の競争力であるが、電子・電気関連製品においては近年輸出競争力に翳りが見え始めている。中国、東南アジア市場の消費拡大や国際競争の激化、急激な技術変化、消費者嗜好の多様化に素速く対応するための技術アウトソーシング戦略とはどの様なものなのか。

本書では技術アウトソーシングを明確に定義付けし、グループ内技術アウトソーシング企業と単独資本技術アウトソーシング企業の役割の違いや、その設計活動や活用戦略を調査・分析し今後の課題を明らかにする。著者の長年の経験と実務管理者のインタビューを交え、これからの「ものつくり」産業において必要不可欠な技術アウトソーシング戦略を描き出す労作。

【著者】太田 信義(おおた・のぶよし)
1946 年生まれ。1969 年 東京工業大学工学部卒業、(株)デンソー入社(メータ技術部部長、ボディ機器事業部部長などを歴任)。2002年デンソーテクノ(株)社長(~2009.6)。2012 年 名古屋学院大学大学院博士前期課程修了。 2015 年 名古屋学院大学大学院博士後期課程修了、博士(経営学)。
*プロフィールは本書刊行時のものです。

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目次

まえがき

序章 自動車産業の国際競争力強化に向けて 
   ー技術アウトソーシングの活用
1.現状への課題認識
2. 「日本のものづくり」の良さへの注目
3.自動車の産業構造と技術の特徴
4. 技術アウトソーシングの活用状況
5. アウトソーシング活用における役割分担と設計知識の関連
6.さらなる活用への具体的政策提言

1章 自動車産業の構造および技術の特徴
1.はじめに
2. 自動車の現状
2.1 世界での位置ー保有・生産台数・輸送力など
2.2 日本での位置ー就業人口、輸出競争力など
3.自動車産業の構造とその特徴
3.1 ヒエラルキーな産業構造
3.2 車両全体と各部品の関係
4. 自動車における技術とその特徴
4.1 安全・環境・快適技術の進化
4.2 技術アウトソーシングの活用とその状況
5. おわりに

2章 アウトソーシングへのアプローチ
1.はじめに
2. 現状認識
3.アウトソーシングの定義、その変化
3.1 アウトソーシングの語源と一般的理解
3.2 アウトソーシングの定義とその変化
3.3 サービス分野と提供形態
4. 技術領域におけるアウトソーシングの捉え方
4.1 技術の捉え方
4.2 ISと技術の層別ーサービス分野別の視点
4.3 技術領域におけるアウトソーシングの定義
4.4 ものづくりにおける技術業務の流れ
5. おわりに

3章 アウトソーシング論の到達点と課題
1.はじめに
2. 先行研究の到達点と課題
2.1 先行研究の分析視点
2.2 形成論的アプローチ
2.3 プロセス論的アプローチ
2.4 到達点と課題
3. おわりに

4章 技術アウトソーシングの活かし方と課題
1.はじめに
2. アウトソーシング業界の枠組み
3.技術領域での仮説の設定とその検証
3.1 調査・分析の視点
3.2 仮説の設定
4. 調査の概要と結果に基づく仮説の検証
4.1 調査の概要
4.2 調査結果と仮説の検証
5. おわりに

5章 自動車産業での活かし方
1.はじめに
2. グループ内技術アウトソーシング企業の活用状況
2.1 調査の考え方と方法
2.2 調査結果
3.独立資本技術アウトソーシング企業の活用状況
3.1 トップ・インタビューからの経営および事業内容
3.2 その特徴ー各社ホームページからの調査・分析
4. 実務管理者へのインタビューー「まとめ委託」を主体として
4.1 調査の概要
4.2 調査の結果
5. おわりに


6章 技術アウトソーシングの構造、その特徴 
   ーグループ系企業と独立資本系企業の違いの視点
1.はじめに
2. 技術アウトソーシングの特徴
3.ヒエラルキー構造
3.1 その構造と役割分担
3.2 需要変動への対応のしくみ
4. 段階的企業設立の背景
4.1 独立資本技術アウトソーシング企業の設立ー1960年代
4.2 自動車産業内でのメーカーによる
  グループ企業設立の第一段階ー1980年前後
4.3 自動車産業内でのメーカーによる
  グループ企業設立の第二段階ー1995年前後
5. 技術アウトソーシング企業の役割
  ー「設計補助」と「設計分担」の違いの視点
6.おわりに

7章 設計にみる知識のダイナミズム
1.はじめに
2. 設計における暗黙知の重要性
3.設計とはなにか
3.1 設計プロセスと主な活動
3.2 設計活動と知識
3.3 設計の定義
4. 設計プロセスと暗黙知の活用
4.1 「暗黙知の活用度合」概念の導入
4.2 各設計プロセスにおける「暗黙知の活用度合」の変化
4.3 設計の技術新規度・変更度による暗黙知の活用度合の変化
5. 設計知識の継承と技術アウトソーシング企業
5.1 設計知識のドキュメントによる体系化ー日本と西欧との比較視点
5.2 設計知識の継承
6.設計知識保有のレベルの違いー委託元と委託先との比較
7.おわりに

8章 3次元CADによる設計革命とそのインパクト
1.はじめに
2. 設計の3次元化とは何か
2.1 設計と図面
2.2 2次元CADとは
2.3 3次元CADとは
3.3次元CADの効果
3.1 生産準備への活用
3.2 設計プロセスでの工学的解析への活用
3.3 2次元CADと3次元CADの効果の違い
3.4 3次元CADによる業務のフロント・ローディング
4. 3次元CADの効果と設計プロセスの変化
4.1 3次元CADの導入状況
4.2 3次元CADの具体的効果とその影響
4.3 フロント・ローディングの期待と実際
5. 3次元CADの導入と技術アウトソーシングの変化
5.1 3次元CADでの設計の流れと技術アウトソーシングの業務分担
5.2 欧米初発3次元CADの日本での適合性
5.3 3次元CADによる製品設計の現状
6.3次元CAD活用の日本型フロンティア
7.「日本型フロンティア」の更なる展開ー「まとめ委託の促進」
8.おわりに

9章 「まとめ委託」の促進・拡大
1.はじめに
2. 基本的な考え方ーアウトソーシングの役割
3.「まとめ委託」の促進
4. 国内外における技術者有効活用の仕組みつくり・運用
5. 暗黙知からの形式知への転換促進
6.リスクへの対応
7.今後の課題ー「待ち・受け身」姿勢からの脱却
8.おわりに

終章 技術アウトソーシングを活かした競争力強化
1.経営変革へのまなざし
2. 技術自前主義からの脱却
3.自動車産業における技術アウトソーシング活用の特徴
4. 技術アウトソーシングの役割と課題


付属資料一覧
1.「技術系(情報システムを除く)業務における業務アウトソーシングに
 関する調査票」
2.実務管理技術者への「製品設計業務のアウトソーシングに関する質問」
参考文献一覧
省略表示した英語の一覧表
あとがき
索引

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