内容説明
「歌曲王」としてあまりにも有名であるが故に、その短い生涯にわたってオペラを作曲し続けたことはあまり知られていない。彼は最初期から死の間際まで18年間にジングシュピール9曲、オペラ6曲、メロドラマ1曲、劇付随音楽1曲、劇挿入曲1曲、宗教劇1曲の未刊を含め19曲の劇作品を作曲し続けた。しかし生前に上演されたのは4曲にすぎない。本書は全19作品ついて、〈作品成立の背景〉〈登場人物〉〈あらすじ〉〈音楽的特徴〉〈上演史〉などを詳しく解説した。シューベルトが舞台作品にかけた情熱と新たな一面を知るための一冊。
著者:井形 ちづる(いがた ちづる)
東京藝術大学大学院音楽学専攻修了。ミュンヘン国立総合大学第2哲学科にて研鑽を積む。訳書に『ヴァーグナー オペラ・楽劇全作品対訳集』(水曜社)『オペラの学校』(水曜社)『オペラの未来』(水曜社、『宗教音楽対訳集成』(共訳、国書刊行会)他。オペラの字幕、ドイツ・リートの字幕および対訳も多い。元東京藝術大学音楽学部オペラ科、明治大学文学部非常勤講師。
*プロフィールは本書刊行時のものです。
目次
ウィーンの社会的背景/ ウィーンの劇場事情/ シューベルトの幼年時代
2. 最初のジングシュピール(1811 ~ 1814)
①鏡の騎士 ②悪魔の悦楽城
3. 初期のジングシュピールとオペラ(1815 ~ 1816)
③4 年間の哨兵勤務 ④フェルナンド ⑤ヴィッラ・ベッラのクラウディーネ ⑥サラマンカの友人たち ⑦人質
4. 中期の舞台作品(1818 ~ 1821)
⑧双子の兄弟 ⑨アドラスト ⑩ラザロ、または復活の祭典 ⑪魔法のたて琴 ⑫シャクンタラー ⑬魔法の鈴
5. 円熟期の大作(1821 ~ 1823)
⑭アルフォンソとエストレッラ ⑮共謀者たち(家庭争議) ⑯リューディガー ⑰フィエラブラス ⑱ロザムンデ、キプロスの女王
6. 舞台作品における白鳥の歌(1827 ~ 1828)
⑲グライヒェン伯爵
7. まとめ
その他の舞台作品/ なぜオペラを書き続けたのか
*本書は2004年刊行の新装版です。
関連書籍
関連記事
- 2024.3.30朝日新聞 読書面半5段広告 - 2024.04.05