内容説明
[原著]Planning the Good Community : New urbanism in theory and practice Routledge
街や地域にとって望ましいのは、特定の価値観や思想、利益によって、ある場所の機能を固定化し、サービスや空間を美しく効率よく整えることではない。地域社会との関わりを生む領域を作り出し、自らの権限や力量を見極めながら貢献することに努めることである。こうしたことを都市やコミュニティに関わる人の間で共通理解として形成していくことは急務である。
このまちで暮らしたい、
あのまちに住みたい……
人々が暮らしたいコミュニティは、どうすればつくり出せるのだろうか?
どうコミュニケーションを図り、協働していくのか。
それらの役割を欠いたら、どんな結果をもたらすのだろうか。
20年に及ぶニューアーバニズムの動きを精緻に議論し、文化の違いに配慮しながら、どのように世界中での実践にニューアーバニズムが浸透していったのかを明らかにする。
[原著者から読者へのメッセージ]
本書を通じて私は、読者の皆さんに「困難な問いに対する安易な答え」を受け入れない姿勢を持ち続けていただきたいと願っています。よいコミュニティを築くための計画をつくることは容易ではありません。しかし、それは未来の世代に希望を提供しようとする私たちにとって、欠くことのできない取り組みなのです。
【原著者】
ジル・L・グラント(Jill L Grant)
カナダ都市計画家協会正会員。ダルハウジー大学都市・地域計画学名誉教授。博士(ウォータールー大学)。都市機能と都市計画が生活者にとっての大切な“場所(places)”をいかに改善できるかを研究。カナダ郊外の開発傾向、都市近郊の変化、クリエイティブ・クラス/クリエイティブ・シティアイデアの影響などの研究を専門としている。1999年中京大学客員研究員として招聘され、名古屋・東京・京都などで本書に示す国内事例の調査・研究を行った。主著に本書のほか『Changing Neighbourhoods: Social and spatial polarization in Canadian cities』( 2020)『Seeking Talent for Creative Cities: The Social ynamics of Innovation』(2014)『A Reader in Canadian Planning: Linking Theory and Practice』(2008)『The Drama of Democracy: Contention and Dispute in Community Planning』(1994)など。
【訳者】
似内 遼一(にたない りょういち)担当章:1章、7章、8章、9章
東京理科大学経営学部講師。1985年、東京都生まれ。東京大学で博士(工学)を取得。同大学高齢社会総合研究機構、先端科学技術研究センター、工学部都市工学科を経て、2026年4月より現職。専門はコミュニティデザイン。計画的視点からの超高齢社会に対応した居住環境づくりや復興まちづくりの研究実践に各地で取り組んでいる。監訳に『コミュニティを研究する:概念、定義、測定方法』(新曜社,2023年)など。2023年住総研研究・実践選奨奨励賞受賞。
井上 拓央(いのうえ たくお)担当章:2章、3章
東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻特任助教。1995年、長野県長野市生まれ。2023年、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻博士課程修了。博士(工学)。2023年6月より東京大学先端科学技術研究センター特任助教を務め、2024年11月より現職。専門は都市計画の理論と、都市における空間や場所の分析手法の開発。共著に『UrbanInformaticsandFutureCities』(Springer,2021年)、共訳に『コミュニティを研究する:概念、定義、測定方法』(新曜社,2023年)など。
劉 雨迪(りゅう ゆでぃ)担当章:4章、5章
早稲田大学先端社会科学研究所助教。1994年、中国・雲南省生まれ。米英に7年間留学した後、2023年に東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻博士課程修了。博士(工学)。2023年10月より東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻特任研究員を経て、2024年4月より現職。専門は都市計画・人文地理・政治学の接点。都市研究と歴史的制度主義の方法論を統合し、東京をはじめとする鉄道制度や公共交通指向型開発(TOD)の分析に取り組む。研究成果を日本語・英語で幅広く発信。
白石 智之(しらいし ともゆき)担当章:6章
2000年、東京都生まれ。一橋大学社会学部社会学科を卒業後、2026年に東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻修士課程を修了。修士(工学)、学士(社会学)。修士課程在学中にはイギリスのシェフィールド大学にて交換留学を行い、日英双方の観点から都市計画を多角的に学んだ。修士論文のテーマは、長期にわたり日本で生活している外国人の余暇における施設利用とその際の障壁。
*プロフィールは本書刊行時のものです。
街や地域にとって望ましいのは、特定の価値観や思想、利益によって、ある場所の機能を固定化し、サービスや空間を美しく効率よく整えることではない。地域社会との関わりを生む領域を作り出し、自らの権限や力量を見極めながら貢献することに努めることである。こうしたことを都市やコミュニティに関わる人の間で共通理解として形成していくことは急務である。
このまちで暮らしたい、
あのまちに住みたい……
人々が暮らしたいコミュニティは、どうすればつくり出せるのだろうか?
どうコミュニケーションを図り、協働していくのか。
それらの役割を欠いたら、どんな結果をもたらすのだろうか。
20年に及ぶニューアーバニズムの動きを精緻に議論し、文化の違いに配慮しながら、どのように世界中での実践にニューアーバニズムが浸透していったのかを明らかにする。
[原著者から読者へのメッセージ]
本書を通じて私は、読者の皆さんに「困難な問いに対する安易な答え」を受け入れない姿勢を持ち続けていただきたいと願っています。よいコミュニティを築くための計画をつくることは容易ではありません。しかし、それは未来の世代に希望を提供しようとする私たちにとって、欠くことのできない取り組みなのです。
【原著者】
ジル・L・グラント(Jill L Grant)
カナダ都市計画家協会正会員。ダルハウジー大学都市・地域計画学名誉教授。博士(ウォータールー大学)。都市機能と都市計画が生活者にとっての大切な“場所(places)”をいかに改善できるかを研究。カナダ郊外の開発傾向、都市近郊の変化、クリエイティブ・クラス/クリエイティブ・シティアイデアの影響などの研究を専門としている。1999年中京大学客員研究員として招聘され、名古屋・東京・京都などで本書に示す国内事例の調査・研究を行った。主著に本書のほか『Changing Neighbourhoods: Social and spatial polarization in Canadian cities』( 2020)『Seeking Talent for Creative Cities: The Social ynamics of Innovation』(2014)『A Reader in Canadian Planning: Linking Theory and Practice』(2008)『The Drama of Democracy: Contention and Dispute in Community Planning』(1994)など。
【訳者】
似内 遼一(にたない りょういち)担当章:1章、7章、8章、9章
東京理科大学経営学部講師。1985年、東京都生まれ。東京大学で博士(工学)を取得。同大学高齢社会総合研究機構、先端科学技術研究センター、工学部都市工学科を経て、2026年4月より現職。専門はコミュニティデザイン。計画的視点からの超高齢社会に対応した居住環境づくりや復興まちづくりの研究実践に各地で取り組んでいる。監訳に『コミュニティを研究する:概念、定義、測定方法』(新曜社,2023年)など。2023年住総研研究・実践選奨奨励賞受賞。
井上 拓央(いのうえ たくお)担当章:2章、3章
東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻特任助教。1995年、長野県長野市生まれ。2023年、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻博士課程修了。博士(工学)。2023年6月より東京大学先端科学技術研究センター特任助教を務め、2024年11月より現職。専門は都市計画の理論と、都市における空間や場所の分析手法の開発。共著に『UrbanInformaticsandFutureCities』(Springer,2021年)、共訳に『コミュニティを研究する:概念、定義、測定方法』(新曜社,2023年)など。
劉 雨迪(りゅう ゆでぃ)担当章:4章、5章
早稲田大学先端社会科学研究所助教。1994年、中国・雲南省生まれ。米英に7年間留学した後、2023年に東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻博士課程修了。博士(工学)。2023年10月より東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻特任研究員を経て、2024年4月より現職。専門は都市計画・人文地理・政治学の接点。都市研究と歴史的制度主義の方法論を統合し、東京をはじめとする鉄道制度や公共交通指向型開発(TOD)の分析に取り組む。研究成果を日本語・英語で幅広く発信。
白石 智之(しらいし ともゆき)担当章:6章
2000年、東京都生まれ。一橋大学社会学部社会学科を卒業後、2026年に東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻修士課程を修了。修士(工学)、学士(社会学)。修士課程在学中にはイギリスのシェフィールド大学にて交換留学を行い、日英双方の観点から都市計画を多角的に学んだ。修士論文のテーマは、長期にわたり日本で生活している外国人の余暇における施設利用とその際の障壁。
*プロフィールは本書刊行時のものです。
目次
日本語版への序文
まえがき―翻訳にあたって
まえがき 本書の構成 本書の執筆分担者の紹介
第1章 ニューアーバニズムの台頭
パラダイムシフトなのか
名称に含まれていること
ニューアーバニズムが表象すること
[1]表象される歴史
[2]表象される実践
[3]表象される文化
[4]表象される理論
理論と実践をつなぐ
ニューアーバニズムの理論化
ニューアーバニズムの価値づけ
礼節の探索
良きコミュニティの探索
第2章 [郊外に付随した]アーバニズムに向けた歩み
歴史的な文脈
工業都市の失敗
良き市街形態のための19世紀型モデル
20世紀型モデル:田園都市が姿を現す
田園都市の宿命
第3章 ニューアーバニズムの理論
新たな視点
新たな方策の必要性
コラム3.1 強固な伝統近隣地区:ノルネス
ニューアーバニズムの起源
着目されるニューアーバニズム
ニューアーバニズムの原則
新・都市主義
[1]伝統近隣デザイン
[2]公共交通指向型デザイン
[3]アーバンビレッジ
[4]“ニュー・アーバニズム”
[5]スマートグロース
理論から実践へ
理論の使用
生態学の使用
権力の問題
第4章 ニューアーバニズムの誕生:アメリカの経験
スプロールの歴史を変える
アメリカのニューアーバニズム事業
コラム4.1 ケントランド:アメリカの夢と現実
コラム4.2 サンタナ・ロウ:ショッピングモールが村落になる
貧しい近隣地区のニューアーバニズム
ニューアーバニズムが主流に
ニューアーバニズムへの異論
アメリカにおけるニューアーバニズムの影響
第5章 アーバニズムの再編:ヨーロッパの経験
アーバニズムの歴史
現代ヨーロッパ都市の課題
ニューアーバニズムに対するヨーロッパ人の関心
ヨーロッパの新型都市事業
コラム5.1 カーロー・ノルド:ドイツ村落の再建
コラム5.2 パウンドベリー:本物ではあまりない
目標達成への課題と障壁
第6章 近代化するアーバニズム:アジアの新しいまち
東アジアのアーバニズム文脈
[1]中国のアーバニズム
[2]韓国のアーバニズム
日本における新・都市主義
コラム6.1 ホワイトタウン:アメリカ式のサバーバニズム
ニューアーバニズムは重要なのか
コラム6.2 彦根における歴史の再発見
第7章 入植アーバニズム:賛同するカナダ
熱心なアーバニスト
郊外の起源
郊外の批判
ニューアーバニズムの流行
コラム7.1 マッケンジー・タウン:プレイリーのアーバニズム
コラム7.2 コーネル:先導的ニュータウン
カナダにおけるニューアーバニズムの課題
ニューアーバニズムの将来
第8章 ニューアーバニズムの理論と実践の整合
理論と実践の評価
ニューアーバニズムの軌跡
新たな都市実践はその理論に適っているのか
[1]新型都市開発はアフォーダブルであるか
[2]新型都市開発は正真正銘であるか
[3]新型都市開発は民主的なのか
[4]新型都市開発は多様であるか
[5]新型都市開発は公正なのか
[6]新型都市開発は持続可能であるか
ニューアーバニズムにある権力
公共利益と民間利益
第9章 ニューアーバニズムの運命
競合するアーバニズム
ニューアーバニズムの成功と失敗
ニューアーバニズムはそれが目指す目標を達成できるのか
良きコミュニティのマーケティング
ニューアーバニズムの皮肉
都市の現実が干渉するとき
プランニング原則の変容
プランナーの役割
理論の役割
プランニングと良きコミュニティの模索
将来の展望
謝辞
あとがき 大方 潤一郎(東京大学名誉教授:都市計画)
参考文献 訳者プロフィール 索引
まえがき―翻訳にあたって
まえがき 本書の構成 本書の執筆分担者の紹介
第1章 ニューアーバニズムの台頭
パラダイムシフトなのか
名称に含まれていること
ニューアーバニズムが表象すること
[1]表象される歴史
[2]表象される実践
[3]表象される文化
[4]表象される理論
理論と実践をつなぐ
ニューアーバニズムの理論化
ニューアーバニズムの価値づけ
礼節の探索
良きコミュニティの探索
第2章 [郊外に付随した]アーバニズムに向けた歩み
歴史的な文脈
工業都市の失敗
良き市街形態のための19世紀型モデル
20世紀型モデル:田園都市が姿を現す
田園都市の宿命
第3章 ニューアーバニズムの理論
新たな視点
新たな方策の必要性
コラム3.1 強固な伝統近隣地区:ノルネス
ニューアーバニズムの起源
着目されるニューアーバニズム
ニューアーバニズムの原則
新・都市主義
[1]伝統近隣デザイン
[2]公共交通指向型デザイン
[3]アーバンビレッジ
[4]“ニュー・アーバニズム”
[5]スマートグロース
理論から実践へ
理論の使用
生態学の使用
権力の問題
第4章 ニューアーバニズムの誕生:アメリカの経験
スプロールの歴史を変える
アメリカのニューアーバニズム事業
コラム4.1 ケントランド:アメリカの夢と現実
コラム4.2 サンタナ・ロウ:ショッピングモールが村落になる
貧しい近隣地区のニューアーバニズム
ニューアーバニズムが主流に
ニューアーバニズムへの異論
アメリカにおけるニューアーバニズムの影響
第5章 アーバニズムの再編:ヨーロッパの経験
アーバニズムの歴史
現代ヨーロッパ都市の課題
ニューアーバニズムに対するヨーロッパ人の関心
ヨーロッパの新型都市事業
コラム5.1 カーロー・ノルド:ドイツ村落の再建
コラム5.2 パウンドベリー:本物ではあまりない
目標達成への課題と障壁
第6章 近代化するアーバニズム:アジアの新しいまち
東アジアのアーバニズム文脈
[1]中国のアーバニズム
[2]韓国のアーバニズム
日本における新・都市主義
コラム6.1 ホワイトタウン:アメリカ式のサバーバニズム
ニューアーバニズムは重要なのか
コラム6.2 彦根における歴史の再発見
第7章 入植アーバニズム:賛同するカナダ
熱心なアーバニスト
郊外の起源
郊外の批判
ニューアーバニズムの流行
コラム7.1 マッケンジー・タウン:プレイリーのアーバニズム
コラム7.2 コーネル:先導的ニュータウン
カナダにおけるニューアーバニズムの課題
ニューアーバニズムの将来
第8章 ニューアーバニズムの理論と実践の整合
理論と実践の評価
ニューアーバニズムの軌跡
新たな都市実践はその理論に適っているのか
[1]新型都市開発はアフォーダブルであるか
[2]新型都市開発は正真正銘であるか
[3]新型都市開発は民主的なのか
[4]新型都市開発は多様であるか
[5]新型都市開発は公正なのか
[6]新型都市開発は持続可能であるか
ニューアーバニズムにある権力
公共利益と民間利益
第9章 ニューアーバニズムの運命
競合するアーバニズム
ニューアーバニズムの成功と失敗
ニューアーバニズムはそれが目指す目標を達成できるのか
良きコミュニティのマーケティング
ニューアーバニズムの皮肉
都市の現実が干渉するとき
プランニング原則の変容
プランナーの役割
理論の役割
プランニングと良きコミュニティの模索
将来の展望
謝辞
あとがき 大方 潤一郎(東京大学名誉教授:都市計画)
参考文献 訳者プロフィール 索引
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