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コミュニティ3.0  新刊

地域バージョンアップの論理

コミュニティ3.0

まちづくりの可能性と問題点を浮き彫りにし、コミュニティ・バージョンアップの論理について考察

著者 中庭 光彦
ジャンル 文化とまちづくり叢書
出版年月日 2017/06/23
ISBN 9784880654133
判型・ページ数 A5並製・200ページ
定価 本体2,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序章 コミュニティと地域政策
1.コミュニティが変わりそうだ
2.地域政策の推移
3.コミュニティはなぜ必要なのか
4.コミュニティが生み出す機能
5.バージョンアップ戦略のフレームワーク

第1章 コモンズ論の系譜とオストロムの遺産
1.コモンズ論の現代的意義
2.所有権を強めるコモンズの論理
3.利用権に注目する人口資源と人的資源のコモンズ
4.シェアというコモンズ論—二つのシェアエコノミー
5.現在だからわかるコモンズ論の遺産

第2章 外部環境を理解するために —周縁のメリット
1.周縁部で目立つコミュニティ・バージョンアップ
2.周縁のメリットに一役買った自動車とICT
3.周縁に眠る魅力の可能性
4.周縁のメリットと多様性

第3章 過疎の郊外化 —徳島県神山町
1.神山町に人気が集まる理由
2.ケース:徳島県神山町
 1神山町の移住のモデルか?
 2サテライトオフィスを惹きつける神山町
 3就労間を変える?
3.ケース分析
 1外部環境の変化
 2ロードサイドショップ回廊というコモンズ
 3自治体範囲と都市圏範囲
 4滞在者という周縁者の役割
 5コミュニティが成立する条件とは何か

第4章 温泉観光地のインバウンド適応戦略 —長野県野沢温泉村
1.維持する制度が新たな機会を生む
2.ケース:野沢温泉村
 1コミュニティによる地域経営
 2コミュニティ=コモンズ管理組織としての野沢組
 3野沢組の組織
 4温泉管理方式でスキー場開発
 5インバウンド時代を迎える
3.ケース分析
 1山資源をスキーゲレンデに機能転換
 2滞在者の利用基盤づくり
 3資源システムの多様な機能を守る方法としての観光
 4インバウンド客への対応

第5章 離島における旅行者の滞在者化 —長崎県小値賀町
1.コミュニティ・ベースド・ツーリズムの発見
2.ケース:長崎県小値賀島
 1小値賀島を資源とした開発者たち
 2小値賀島の離島振興事業
 3活版文化で小値賀を世界に発信
 4畜産業の島
 5民泊という旅行者の滞在者化装置
 6おぢかアイランドツーリズム協会
 7制約を強みにする
3.ケース分析
 1コミュニティ・ベースド・ツーリズム
 2滞在者価値と物語を創発するコモンズ
 3都市との関係
 4埋め込まれる観光の意味

第6章 買いもの弱者を減らす「道」資源活用 —宮崎県川南町
1.賑わいコモンズの形成
2.ケース:宮崎県川南町トロントロン軽トラ市
 1買いもの弱者と軽トラ市
 2移動流通の業態
 3移動店舗の課題
 4軽トラ市の魅力
3.ケース分析
 1買い回り品中心の軽トラ市
 2買いもの弱者論に掛けている観光のもつ集客力
 3道路という滞在的な価値のコミュニティ的利用

第7章 保全の観光価値と社会的水循環の認識 —北海道釧路市弟子屈町
1.保全することの現代的意味
2.ケース:北海道釧路市・弟子屈町
 1湿地をめぐる活性化と保全
 2社会的水循環というシステム
 3発見されたタンチョウツルの魅力
 4川湯温泉のアクティビティ開発
 5硫黄山と釧路を結ぶ線
 6タンチョウツル、雲海、硫黄・石炭、観光という社会的水循環
3.ケース分析
 1保全を読み直すプロセス
 2コモンズを守るための広域連携—DMO

第8章 学ぶコミュニティづくり —宮城県石巻市
1.移動者が回復力の担い手へ
2.ケース:宮城県石巻市
 1「学びの場づくり」という方法
 2まちを動かす人が変わってきた
 3フラットな場をつくりたい
 4川の文化と海の文化
3.ケース分析
 1被災地でコミュニティをどうつくるのか
 2学ぶコミュニティ形成

第9章 多様性を生むリノベーション戦略 —静岡県熱海市
1.高度成長期温泉リゾート地の利用転換
2.ケース:静岡県熱海市
 1なぜ熱海は元気なのか
 2温泉地の特徴
 3リノベーションでまちづくり
 4観光地における業態転換と事業承継のマッチング
 5来宮神社のスイーツカフェにみる利用転換
 6老舗温泉旅館と観光地を丸ごと守る
 7世代交代によるバージョンアップ
3.ケース分析
 1ゲストハウスの意味
 2利用転換の方法

第10章 ほんものに光を当てる地域ブランド戦略 —福井県大野市
1.ブランディングと真正性
2.ケース:福井県大野市
 1エッジを際だたせることができるか
 2昔の若手と今の若手
 3まちづくり商社 平成大野屋
 4醤油カツ丼の運動論
 5醤油屋の競争戦略
3.ケース分析
 1ブランドという物語の必要性
 2ほんものの価値をあえてずらしてみるB級戦略
 3流通構造の変化

終章 コミュニティ3.0の論理
1.コミュニティ・バージョンアップ—現場の構図
2.コミュニティ3.0の特徴—周縁のメリット
 1隔たりの資源化
 2低密度でも、こだわる人のネットワーク形成
 3滞在者の活用
 4流通構造短縮化と生産者への分配
 5まぜこぜパワーの尊重
3.人を守る事業が循環する—おもしろい学び体験
4.コミュニティ2.0との違い
5.働き方が液状化しつつある
6.自動車とICTの融合
7.地域おこしは活用できるのか
8.ベッドタウンの迷い

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内容説明

地域政策や地域づくりに重要な役割を持つコミュニティ。
しかし周囲の状況変化に合わせ、その機能にも大きな変化が見られるようになった。特に人口減少期を迎え成長よりも暮らしの豊かさを求める世代が中心となり、彼らの活動は「適度な利益→適度な分配→外部環境への働きかけ」という循環に向かいはじめている。
ここではコミュニティの推移を以下のように定義した。

コミュニティ1.0:1960 年代~90 年代初頭
 (人口増加、公共サービスの質・量を整備。流通革新期)
コミュニティ2.0:1990 年代半ば~
 (人口減少、需要低迷、公共サービスの維持整備。インターネット)
コミュニティ3.0:2010 年代半ば~
 (静止人口、出生率向上と公共サービスの再編。ICT、スマートフォン)

本書は2017 年という現在がコミュニティ3.0 への移行期にあるという認識をもとに、全国でユニークな活動をしている現場を取材、静止人口時代に向けた地域おこしとコミュニティ戦略を紹介する。

これからのまちづくりの可能性と問題点を浮き彫りにし、コミュニティ・バージョンアップの論理について考察する。

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