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江戸時代の家

暮らしの息吹を伝える

江戸時代の家

人々はどのような家に住んでいたか… 202点におよぶ図版を交え江戸時代の家と暮らしを解説する

著者 大岡 敏昭
ジャンル 歴史・風俗
出版年月日 2017/11/10
ISBN 9784880654331
判型・ページ数 A5並製・272ページ
定価 2,420円(本体2,200円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

日本の家は、とくに江戸時代にかけて玄関、座敷、茶の間、居間、納戸、湯殿、内便所など、それまでなかった新しい空間が生まれ急速に発展し、それらは現代の家の基礎となった。
 これまで江戸時代の家は封建的で古めかしく、単に和室を並べただけいわれてきたが、多くの史料を調べてみると地域の風土と文化によって養われた多様性を見ることができる。そして幕末の下級武士が書き遺した絵日記などから、武士の階級および町人、僧侶といった身分の違いに関係なく、たがいの家に気軽によく集まり、人とのつながりはきわめて親密で開放的であったという。

 本書の一章から三章では、現代の家の原点というべき江戸時代の家を見直し、身分制社会のなか、家も武士、農民、町人など、独自の発展をしていた江戸時代の家の特質を探る。四章では、隠者の家と題して江戸時代に生きた芭蕉と良寛の庵と暮らしの風景を述べる。世俗を離れ自然の中で清閑の暮らしを歩んだ彼らの人生をたどり、粗末で貧しい暮らしではあっても、よろこびが謳歌されていた彼らの家と暮らしの豊かさを考える。

※本書は『江戸時代 日本の家』(相模書房,2011)に著者による大幅な改訂を加え図版を増やし刊行するものです。

【著者】大岡敏昭(おおおか・としあき)
昭和十九年、神戸市生まれ、熊本県立大学名誉教授。九州大学大学院博士課程(建築学専攻)修了。工学博士。歴史は現在の問題から遡るべきという理念のもとに、古代から現代までの日本住宅と中国住宅、およびその暮らしの風景を研究している。 主著に、『日本の住まい その源流を探る』(相模書房)、『清閑の暮し』(草思社)、『武士の絵日記』(角川ソフイア文庫)などがある。
*プロフィールは本書刊行時の物です。

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目次

まえがき

第一章 武士の家
 一 武士について
   1武士の身分と禄高 2身分の変動 3武士の暮らし 4武士の居住地 5拝領の家
 二 江戸時代初めの武士の家
   1城下町と家 2京都公家町の新しい町 3公家町の上級武士の家 4公家町の与力の家 5公家町の同心の家
 三 江戸時代中後期の武士の家
   1上級武士の家 2中級武士の家 3下級武士の家 4在郷武士の家
 四 武士の家の特質
   1多様な空間 2秩序性と連続性 3地域性 4北入りの成立 5表と裏
   6日本人の方位観

第二章 農民の家
 一 中世農民の家
 二 江戸時代初めの農民の家
   1農民階層 2肥後、信濃、河内の家
 三 江戸時代中後期の農民の家
   1東北地方の家 2中部地方の家 3北陸地方の家 4九州地方の家
 四 農民の家の特質
   1多彩な家 2納戸と広間と座敷 3上手と下手 4仏壇の成立 5屋敷と家の方位

第三章 町人の家
 一 町人と町屋
   1町屋の成立と普及 2町人と町
 二 江戸時代前の町屋
   1古代の町屋 2中世の町屋
 三 江戸時代の町屋
   1江戸の町屋 2京都の町屋 3江戸の裏長屋
 四 町屋の特質
   1江戸町屋の特質 2京都町屋の特質

第四章 隠者の家
 一 隠者について
 二 芭蕉の庵と暮らしの風景
   1江戸市中よさらば、深川へ 2それまでの芭蕉 3深川の庵 4庵の暮らし
   5乞食への道 6帰郷 7ふたたび庵の暮らし 8自然の発見 9芭蕉の人生観
   10新しい庵 11愉快な暮らし 12死出の旅 
 三 良寛の庵と暮らしの風景
   1越後のふるさとへ 2それまでの良寛 3帰郷 4五合庵の風景 5庵の暮らし
   6托鉢の風景 7子どもたちと遊ぶ 8すがすがしい暮らし 9生家の滅亡と兄弟たち
   10乙子神社の庵 11良寛の人生観 12夢の出会いと清らかな唱和歌 13浄土への旅立ち

あとがき

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