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アーツカウンシル

アームズ・レングスの現実を超えて

アーツカウンシル

芸術と行政が、相互に望ましい関係を保ち続けることは可能なのか。

著者 太下 義之
ジャンル 文化とまちづくり叢書
アート・カルチャー
出版年月日 2017/11/30
ISBN 9784880654287
判型・ページ数 A5並製・224ページ
定価 2,750円(本体2,500円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

アーツカウンシルとは行政による文化芸術支援の問題点を解決するため第三者機関を設立し、高い専門性をもつスタッフが公正で効率的な文化芸術支援をしていくための組織であり、「アームズ・レングスの原則」と呼ばれる政府との間に「一定の距離が置かれ独立性が与えられている」ことが重要である。

 本書ではアーツカウンシル発祥国である英国の組織・活動概要と2012ロンドン五輪文化プログラム成功の分析。日本のアーツカウンシル的組織「自治体文化財団」や公共文化施設の議会と行政の関係性。また大学における自治と自立などにおいて「アームズ・レングスの原則」がどのように機能しているか否かを整理しながら問題点を浮き彫りにする。

 インバウンド政策とあわせ、ますます重要視される日本の文化発信事業。東京五輪を間近に控え文化芸術支援と行政にの役割を考えるアートプロジェクト、まちづくり関係者必読の書。

【著者】太下義之(おおした・よしゆき)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング 芸術・文化政策センター長。独立行政法人国立美術館理事。1962年東京生まれ。専門は文化政策。博士(芸術学)。公益社団法人日展理事、公益社団法人企業メセナ協議会監事、公益財団法人静岡県舞台芸術センター評議員。文化経済学会<日本>監事、文化政策学会理事、政策分析ネットワーク共同副代表。観光庁「世界に誇れる広域観光周遊ルート検討委員会」委員など役職多数。

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目次

はじめに
第1章 アーツカウンシルとは何か
1. 最初のアーツカウンシル
2. アーツカウンシル・イングランド
3. アーツカウンシルとオリンピック
4. 日本国内のアーツカウンシル

第2章 英国:アーツカウンシル・イングランド
1. アームズ・レングスの原則
2. 「アームズ・レングス」の視点からみたアーツカウンシルの歴史
3. 政策進化のジレンマ
4. 独立のジレンマ
5. ケインズの思想
6. あらためてケインズに学ぶ

第3章 英国:クリエイティブ・スコットランド
1. スコットランドのアーツカウンシル
2. クリエイティブ・スコットランドの概要
3. 歴史的変遷
4. アーツカウンシル・イングランドとのアームズ・レングス
5. スコットランド政府とのアームズ・レングス
6. 独立と関連するオリンピック文化プログラム
7. 行政改革当局とのアームズ・レングス
8. 地方自治体とのアームズ・レングス
9. クリエイティブ・スコットランドからの示唆

第4章 日本:アーツカウンシル的組織「自治体文化財団」
1. 自治体文化財団の現状
2. 歴史
3. 意義と課題
4. 地域版アーツカウンシルになれるか

第5章 日本:びわ湖ホール
1. 2008年3月問題
2. びわ湖ホールの概要
3.「事件」の概要
4.「事件」に関する表層的な問題
5.「事件」に関する本質的な問題
6. 何が議会で議論され(なかっ)たのか

第6章 アームズ・レングスの原則
1. 4つの異分野から考察する
2. 大学自治
3. 編集の独立
4. 経営ガバナンス論
5. 科学技術振興マネジメント

第7 章 日本版アーツカウンシルの確立へ向けて
1. ここまでの振り返り
2. 地域版アーツカウンシルへの関する提言
3. 今後の展望

参考文献一覧
索引

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