官民協働の文化政策
人材・資金・場
京都、大阪、神戸の3都市における芸術創造拠点を取材し、「文化政策人材」「官民からの資金調達」「場の自主管理」を報告
著者 | 松本 茂章 著 |
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ジャンル | 文化とまちづくり叢書 |
出版年月日 | 2010/10/10 |
ISBN | 9784880652443 |
判型・ページ数 | A5・264ページ |
定価 | 3,080円(本体2,800円+税) |
在庫 | 在庫あり |
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内容説明
芸術創造拠点づくりは自治体が単独で行なえるものでなく、市民、芸術家、NPO、企業など多彩な担い手たちの登場が必須で、そこでは人びとや組織をつなぐネットワークづくり、人材や資金、そして場所をめぐる官民のパートナーシップ構築が重要な条件になってくる。
本書では近くにありながらそれぞれ独自の文化政策を展開している京都、大阪、神戸の3都市における芸術創造拠点を長期間にわたり取材し、浮かび上がってきた事例をもとに「文化政策人材」「官民からの資金調達」「場の自主管理」を報告する。
財政難による自治体の文化予算の削減のなか、評価の定まっていない同時代の芸術を支援し、民の力が推進力となって生まれ、官民の連携がおこなわれてきたという共通項をもつ、これらの拠点を子細に検討することにより芸術創造と官民協働の将来像を描き出す。自治体関係者、NPO団体や文化政策学、アートマネジメント研究者必読の1冊。
【著者】松本 茂章(まつもと・しげあき)
1956年生まれ。県立静岡文化芸術大学文化政策学部教授。専門は政策科学、文化政策学、まちづくり政策論。早稲田大学教育学部卒業。同志社大学大学院総合政策科学研究科博士課程(後期課程)修了。博士(政策科学)。単著に『芸術創造拠点と自治体文化政策 京都芸術センターの試み』(水曜社、2006年)。共編著に中川幾郎、松本茂章編『指定管理者は今どうなっているのか』(水曜社、2007年)など。日本文化政策学会理事、文化経済学会<日本>理事、日本アートマネジメント学会関西支部長。
*プロフィールは本書刊行時のものです。
本書では近くにありながらそれぞれ独自の文化政策を展開している京都、大阪、神戸の3都市における芸術創造拠点を長期間にわたり取材し、浮かび上がってきた事例をもとに「文化政策人材」「官民からの資金調達」「場の自主管理」を報告する。
財政難による自治体の文化予算の削減のなか、評価の定まっていない同時代の芸術を支援し、民の力が推進力となって生まれ、官民の連携がおこなわれてきたという共通項をもつ、これらの拠点を子細に検討することにより芸術創造と官民協働の将来像を描き出す。自治体関係者、NPO団体や文化政策学、アートマネジメント研究者必読の1冊。
【著者】松本 茂章(まつもと・しげあき)
1956年生まれ。県立静岡文化芸術大学文化政策学部教授。専門は政策科学、文化政策学、まちづくり政策論。早稲田大学教育学部卒業。同志社大学大学院総合政策科学研究科博士課程(後期課程)修了。博士(政策科学)。単著に『芸術創造拠点と自治体文化政策 京都芸術センターの試み』(水曜社、2006年)。共編著に中川幾郎、松本茂章編『指定管理者は今どうなっているのか』(水曜社、2007年)など。日本文化政策学会理事、文化経済学会<日本>理事、日本アートマネジメント学会関西支部長。
*プロフィールは本書刊行時のものです。
目次
はじめに
第1章 文化政策の成果と課題
第1節 文化政策の歩み
1-1 文化行政から文化政策へ
1-2 文化政策の変遷
1-3 文化政策の成果
第2節 文化政策と芸術創造
2-1 文化施策の限界
2-2 芸術創造政策の位置づけ
第2章 文化政策研究とガバナンス理論
第1節 文化政策研究の展開可能性
1-1 政策研究の対象へ
1-2 日本文化政策学会の設立
1-3 文化政策研究の意義と多様性
1-4 「MKモデル」から「中川モデル」へ
第2節 地域ガバナンス理論の登場
2-1 新たな視点の必要性
2-2 ガバナンスという概念
2-3 ネットワークとパートナーシップの考え方
第3節 芸術創造拠点づくりに関する仮説の提示
3-1 既存モデルへの再検討
3-2 筆者による3つの仮説
第3章 京都芸術センターの試み
第1節 概要
1-1 設置の目的
1-2 施設の使い方
1-3 展開する事業
第2節 場の管理と運営
2-1 運営委員会
2-2 指定管理者の京都市芸術文化協会
2-3 事務局
第3節 設立の経緯
3-1 番組小学校
3-2 芸術祭典・京と小学校利用
3-3 都心部小学校跡地活用審議会
3-4 京都市芸術文化振興計画
3-5 阪神・淡路大震災を乗り越えて
3-6 京都市の決断
第4節 人々の熱情とネットワーク
4-1 オルガナイザー、河野健二
4-2 芸術文化振興計画の委員たち
4-3 自由な論議
第5節 官民のパートナーシップ
5-1 稽古場の不足
5-2 芸術家と京都市の連携
5-3 専門公務員の存在
第6節 京都芸術センターのガバナンス
6-1 資金調達
6-2 ネットワークの大切さ
6-3 ジレンマと課題
6-4 まちづくりと新しい担い手
第4章 大阪の劇場寺院・應典院の取り組み
第1節 概要
1-1 劇場仕様の本堂
1-2 舞台芸術祭「space×drama」
1-3 「ハイスクール・プレイ・フェスティバル」(HPF)
1-4 支援事業
第2節 場の運営と管理
2-1 應典院寺町倶楽部
2-2 寺町倶楽部の変遷
2-3 歴代の常駐スタッフ
第3節 再建の経緯
3-1 本寺・大蓮寺
3-2 歴史文献に登場する大蓮寺
3-3 住職の映画プロデューサー時代
第4節 人々の熱情とネットワーク
4-1 劇場寺院・應典院の前史
4-2 應典院のプロジェクト
4-3 フレンドシップ劇団による自主管理
第5節 官民のパートナーシップ
5-1 公的資金の獲得
5-2 大阪市との協働(築港ARC)
5-3 芸術家と地域の連携
第6節 應典院のガバナンス
6-1 つながりのデザイン
6-2 場の力
6-3 寺院と芸術創造
6-4 應典院と新たな公共性
第5章 神戸・CAP HOUSEの実験
第1節 概要
1-1 NPO法人「芸術と計画会議」(C.A.P.)
1-2 CAP HOUSEプロジェクト
1-3 C.A.P.の事業
第2節 場の運営と管理
2-1 国立神戸移民収容所
2-2 自主管理
2-3 スタジオQ2
第3節 設立の経緯
3-1 杉山知子の個性
3-2 C.A.P.の前史(11人の仲間たち)
3-3 提案「これからの美術館」
3-4 「旧居留地ミュージアム」構想
第4節 人々の熱情とネットワーク
4-1 「ACTE KOBE」(アクト・コウベ)
4-2 大掃除プロジェクトと「190日の芸術的実験」
4-3 神戸市の理解
第5節 官民のパートナーシップ
5-1 神戸移住資料室の開設
5-2 C.A.P.の財務
5-3 「公の施設」で指定管理者に
第6節 C.A.P.のガバナンス
6-1 芸術家の主体性と自己資金の確保
6-2 黙認の文化政策
6-3 カフェの大切さ
6-4 人々の水平的なネットワーク
第6章 地域ガバナンスと芸術創造拠点
第1節 文化政策と地域ガバナンス
1-1 人々のネットワーク形成
1-2 官民パートナーシップの構築
1-3 都市の魅力づくり
第2節 芸術創造拠点の政策主体、役割、条件
2-1 3つの政策主体
2-2 3つの役割
2-3 3つの条件
第7章 提言 これからの文化政策
第1節 21世紀の芸術創造拠点づくりをめざして
第2節 新しい担い手の登場
第3節 資金をめぐるガバナンス
第4節 「施設」から「場」へ
第5節 文化政策ガバナンスの実現に向けて
あとがき
巻末資料
引用文献
索引
第1章 文化政策の成果と課題
第1節 文化政策の歩み
1-1 文化行政から文化政策へ
1-2 文化政策の変遷
1-3 文化政策の成果
第2節 文化政策と芸術創造
2-1 文化施策の限界
2-2 芸術創造政策の位置づけ
第2章 文化政策研究とガバナンス理論
第1節 文化政策研究の展開可能性
1-1 政策研究の対象へ
1-2 日本文化政策学会の設立
1-3 文化政策研究の意義と多様性
1-4 「MKモデル」から「中川モデル」へ
第2節 地域ガバナンス理論の登場
2-1 新たな視点の必要性
2-2 ガバナンスという概念
2-3 ネットワークとパートナーシップの考え方
第3節 芸術創造拠点づくりに関する仮説の提示
3-1 既存モデルへの再検討
3-2 筆者による3つの仮説
第3章 京都芸術センターの試み
第1節 概要
1-1 設置の目的
1-2 施設の使い方
1-3 展開する事業
第2節 場の管理と運営
2-1 運営委員会
2-2 指定管理者の京都市芸術文化協会
2-3 事務局
第3節 設立の経緯
3-1 番組小学校
3-2 芸術祭典・京と小学校利用
3-3 都心部小学校跡地活用審議会
3-4 京都市芸術文化振興計画
3-5 阪神・淡路大震災を乗り越えて
3-6 京都市の決断
第4節 人々の熱情とネットワーク
4-1 オルガナイザー、河野健二
4-2 芸術文化振興計画の委員たち
4-3 自由な論議
第5節 官民のパートナーシップ
5-1 稽古場の不足
5-2 芸術家と京都市の連携
5-3 専門公務員の存在
第6節 京都芸術センターのガバナンス
6-1 資金調達
6-2 ネットワークの大切さ
6-3 ジレンマと課題
6-4 まちづくりと新しい担い手
第4章 大阪の劇場寺院・應典院の取り組み
第1節 概要
1-1 劇場仕様の本堂
1-2 舞台芸術祭「space×drama」
1-3 「ハイスクール・プレイ・フェスティバル」(HPF)
1-4 支援事業
第2節 場の運営と管理
2-1 應典院寺町倶楽部
2-2 寺町倶楽部の変遷
2-3 歴代の常駐スタッフ
第3節 再建の経緯
3-1 本寺・大蓮寺
3-2 歴史文献に登場する大蓮寺
3-3 住職の映画プロデューサー時代
第4節 人々の熱情とネットワーク
4-1 劇場寺院・應典院の前史
4-2 應典院のプロジェクト
4-3 フレンドシップ劇団による自主管理
第5節 官民のパートナーシップ
5-1 公的資金の獲得
5-2 大阪市との協働(築港ARC)
5-3 芸術家と地域の連携
第6節 應典院のガバナンス
6-1 つながりのデザイン
6-2 場の力
6-3 寺院と芸術創造
6-4 應典院と新たな公共性
第5章 神戸・CAP HOUSEの実験
第1節 概要
1-1 NPO法人「芸術と計画会議」(C.A.P.)
1-2 CAP HOUSEプロジェクト
1-3 C.A.P.の事業
第2節 場の運営と管理
2-1 国立神戸移民収容所
2-2 自主管理
2-3 スタジオQ2
第3節 設立の経緯
3-1 杉山知子の個性
3-2 C.A.P.の前史(11人の仲間たち)
3-3 提案「これからの美術館」
3-4 「旧居留地ミュージアム」構想
第4節 人々の熱情とネットワーク
4-1 「ACTE KOBE」(アクト・コウベ)
4-2 大掃除プロジェクトと「190日の芸術的実験」
4-3 神戸市の理解
第5節 官民のパートナーシップ
5-1 神戸移住資料室の開設
5-2 C.A.P.の財務
5-3 「公の施設」で指定管理者に
第6節 C.A.P.のガバナンス
6-1 芸術家の主体性と自己資金の確保
6-2 黙認の文化政策
6-3 カフェの大切さ
6-4 人々の水平的なネットワーク
第6章 地域ガバナンスと芸術創造拠点
第1節 文化政策と地域ガバナンス
1-1 人々のネットワーク形成
1-2 官民パートナーシップの構築
1-3 都市の魅力づくり
第2節 芸術創造拠点の政策主体、役割、条件
2-1 3つの政策主体
2-2 3つの役割
2-3 3つの条件
第7章 提言 これからの文化政策
第1節 21世紀の芸術創造拠点づくりをめざして
第2節 新しい担い手の登場
第3節 資金をめぐるガバナンス
第4節 「施設」から「場」へ
第5節 文化政策ガバナンスの実現に向けて
あとがき
巻末資料
引用文献
索引