チケットを売り切る劇場
兵庫県立芸術文化センターの軌跡
兵庫県立芸術文化センターの成功事例を基に具体的事例を詳細に分析。佐渡裕との対談を掲載
著者 | 垣内 恵美子 編著 林 伸光 編著 |
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ジャンル | 文化とまちづくり叢書 |
出版年月日 | 2012/03/30 |
ISBN | 9784880652832 |
判型・ページ数 | A5並製・192ページ |
定価 | 2,750円(本体2,500円+税) |
在庫 | 品切れ・重版未定 |
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内容説明
成功した文化施設(劇場)はどこが違うのか。優れたマネジメントの成果を検証する。
財政状況悪化の中、芸術支援に対する見直しが進み、事業評価や効率化、指定管理者制度の導入等、公立文化施設をとりまく状況は厳しい。今後地域文化政策を進める拠点文化施設(劇場)をいかに活性化し、地域に貢献するものにするか、優れたマネジメントとその成果の検証が求められている。
本書は、劇場づくりの一般論ではなく、「兵庫県立芸術文化センター」というブランディングに成功したまれな事例を基に、劇場の活動と、その受益者である観客の行動、納税者の意識など、社会的影響力を多重的に読み解き、マーケティングの具体的事例を盛り込みながら詳細に分析し、公共文化施
設の活動のあり方について方向性を示す。
佐渡裕(指揮者・同芸術文化センター芸術監督)との対談を掲載。
【著者】垣内 恵美子(かきうち・えみこ)
政策研究大学院大学 文化政策プログラム教授、プログラム・ディレクター。 政策研究大学院大学教授。東京大学法学士、シドニー大学経済学修士、東京大学工学博士。文部省入省後、文化庁文化政策室長、一橋大学教授などを経て、 2004年より現職。パリ大学、トリノILOセンターなどで教鞭を執るほか、国土審議会政策部会委員など。著書に『文化財政策概論』(共著、東海大学出版 会)、『文化的景観を評価する』、『フランスの文化政策(監訳)』、『文化財の価値を評価する』(いずれも水曜社)など。2002年度日本都市計画学会論 文奨励賞受賞、2009年度計画行政学会論文賞受賞。
【著者】林 伸光(はやし・のぶみつ)
兵庫県立芸術文化センター、ゼネラルマネージャー。神戸大学経営学部卒業。 朝日放送(株)入社、事業部で音楽事業を担当。1982年、ザ・シンフォニーホール開館準備より2003年まで、21年間ホール運営、自主事業、海外音楽団体招聘事業などを担当。事業部長を務める。2003年10月より現職。神戸大学、神戸女学院大学非常勤講師。
目次
第1章 地域の劇場
第1節 公立劇場
第2節 公立劇場が抱える課題
第3節 地域文化的拠点としての劇場
第2章 復興のシンボル
第1節 国民文化祭のモニュメント
第2節 阪神・淡路大震災のインパクト
第3節 兵庫県立芸術文化センターの創設
第3章 劇場におけるマーケティング
序 節 面白くなければ意味がない
第1節 兵庫県立芸術文化センターの開館
第2節 マーケティングの対象としての劇場
第3節 「チケットを売り切る」
第4節 方向性と課題
第4章 制作の現場から~オペラ・プロデュース
第1節 オペラ制作とは
第2節 実際の制作プロセス〜カルメンの事例
第3節 オペラのマーケティング
第5章 兵庫県立芸術文化センターの観客とは
第1節 兵庫県立芸術文化センターにやってくる人たち
第2節 なぜ来るのか
第3節 なぜリピートするのか
第6章 県民にとっての劇場
第1節 劇場の価値とは
第2節 文化への関心
第3節 社会的便益の評価・分析
第4節 サポーターはどこに
第7章 劇場は、みんなの広場〜特別対談 林伸光×佐渡裕
おわりに