内容説明
60歳以上の高齢者へのアンケート調査の結果、ひとり暮らしが、家族同居や施設入所者より満足度が高いことがわか りました。 前著『老後はひとり暮らしが幸せ』は、その理由を明らかにし、多くの方々の共感を得ることとなりました。
今回は前著の約2倍にあたる924人を対象に調査。「夫婦ふたり暮らし」に焦点を当てました。
老後ふたりの生活では「いちいち口出してくる」「なにも家事を手伝わない」などの不満を多くの妻は持ちます。夫のいいぶんはどういったものでしょうか?
本書では夫婦それぞれの考え方、価値観をアンケートの肉声から分析、「ふたりの老後」を上手く続けるにはどのような心構えと注意点が必要なのかを明らかにします。
【著者】辻川 覚志(つじかわ・さとし)
1952年生。大阪市立大学医学部卒、脳神経外科を研鑽、脳神経外科専門医資格を取得。めまいに興味を持ち、関西医科大学耳鼻咽喉科に転籍。ドイツデュッ セルドルフ大学耳鼻咽喉科留学、帰国後、厚生省前庭機能異常調査研究班の仕事に関与。一貫して神経系の研究ならびに臨床に従事。医学博士。日本耳鼻咽喉科 専門医。1993年大阪府門真市にて耳鼻咽喉科医院開業。2011年より門真市医師会「お元気ですかコール」活動に従事。現在、妻と犬一匹との生活を送っている。
*プロフィールは本書刊行時のものです。
目次
1章 ふたり暮らしで妻が不満な理由
ふたり暮らしは妻のひとり負け
やることにいちいと口を出してくる
自分の考え方に従わせようとする
いつもべったりついてくる
仕事もないのに勝手なことばかりしている
夫のすべてに腹が立つ
2章 夫にもいいわけがある
夫の満足度も高くはない
現役時代は超多忙の毎日だったから
生きがいを見つけられない
妻にも気を使っている
いまさら料理はつくれない
生きがいを見つけたから大丈夫
3章 夫婦はふたりで老いと戦う
相手の不安、自分の不安が交差する
片方が先に逝ってしまうから
築き上げたそれぞれの世界
頼り、頼られるバランスが大切
けんかしても、ふたりしかにない
ふたりの強みは互いの存在
最後は個人戦であることを覚悟する
4章 ふっとこころが軽くなる7つの秘訣
自分の気持ちを楽にする
秘訣① それぞれ互いに納得している
秘訣② しっかり分業できている
秘訣③ 別々の価値観や行動でもかまわない
秘訣④ 目の前の不満は些細なことと割り切る
秘訣⑤ ふたりのときから、ひとりのときを想定する
秘訣⑥ 時間的、空間的に距離をあける
秘訣⑦ 自ら自分の世界に入りこむ
5章 ふたりの自立のための3つの手順書
逝くための自立と残るときの自立と
秘訣① 夫が自立できている人か確かめる
秘訣② 自炊できなくても外食を試してみる
秘訣③ ふたりの距離を上手に保つ
本書の調査方法と分析について
おわりに