地域社会の未来をひらく
遠野・京都 二都をつなぐ物語
遠野での暮らし・営み・交流。地域創生への思いや課題を、地に着いた目線で書き記した、これからの地方創生を考える必読書
著者 | 遠野みらい創りカレッジ 編著 池上 惇 編集 |
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ジャンル | 文化とまちづくり叢書 |
出版年月日 | 2015/09/11 |
ISBN | 9784880653686 |
判型・ページ数 | A5並製・228ページ |
定価 | 2,750円(本体2,500円+税) |
在庫 | 在庫あり |
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内容説明
東日本大震災被災地を支援した岩手県・遠野市と、復興支援活動を実践する富士ゼロックスが、行政・企業組織の枠組みを超え設立した「遠野みらい創りカレッジ」。 2014年4月から「交流」「 暮らしと文化」「 産業創造」の3つの基幹プログラムが開講、その参加者は約4,000人に及ぶ。
本書はそのひとつ「暮らしと文化」“ 遠野・京都文化資本研究会” の成果をまとめたものである。地域の文化を今に生かす工夫や、地域が主体的に産業や文化を創生する工夫について歴史や伝統を尊重し、さらなる発展に向け市民目線で取り組んだ実践的な事例を示す。
遠野に生まれ育った人々、Uターンで戻ってきた人、Iターンで住みついた人々……。
遠野での暮らし・営み・交流。地域創生への思いや課題を、地に着いた目線で書き記した本書はこれからの地方創生を考える関係者の必読書。
【編者】遠野みらい創りカレッジ
富士ゼロックス株式会社と遠野市が協働で行う地域振興のための活動で、市や地域住民と企業や団体、大学生などが連携し、対話や研 修、グループワークなどを通じて地域の発展、産業の創出、人材育成などに結び付けることを目的とし、旧遠野市立土淵中学校を活動拠点に遠野の魅力を発信し ます。
【編集代表】池上 惇(いけがみ・じゅん)
京都大学名誉教授。一般公益法人文化政策・まちづくり大学校(市民大学院)を主宰。全国を回りつつ、通信制の社会人学術人を育成し、学術出版を推奨し、経 済学博士などの論文博士執筆をも奨励している。研究教育における長年の功績で2012 年、瑞宝中綬章を受章。国際文化政策研究教育学会会長。遠野・京都文化資本研究会代表。
*プロフィールは本書刊行時のものです。
目次
遠野みらい創りカレッジ 遠野・京都文化資本研究会代表 池上惇
本書の構造
遠野みらい創りカレッジ 総合プロデューサー 樋口邦史
巻頭メッセージ
・未来へつなぐ遠野スタイル
遠野市長 本田敏秋
・復興支援と地域創生のありかたについて
富士ゼロックス(株) 代表取締役社長 栗原博
・いまこそ心の創生を
京都市長 門川大作
第一部 現代の遠野物語 −歴史から学び未来をひらく
第一章 遠野スタイルから未来を創る
遠野みらい創りカレッジ編
はじめにー旅人が語る遠野の自然や文化の魅力
Ⅰ 遠野物語による、まちづくり村おこし
Ⅱ 新たな公共経済・共通資産・遠野ツーリズムの登場
Ⅲ 遠野スタイルによるまち創り
Ⅳ 今後の課題と展望
第二章 未来を創る人々の物語 −遠野で暮らすとは
Ⅰ 遠野民泊のすすめ
遠野山・里・暮らしネットワーク:民泊協会 浅沼亜希子
Ⅱ 永遠のふるさと遠野、現代の語り部からの伝言
暮らしの充実こそ美しい環境を育てるー自然の中の労働と文化
宮守川上流環境部会事務局長 大石悦司
生活のままの中に対話と民泊を
森の山小屋 わらしゃんど 小山美光
地域住民が楽しむ交流のための「やかましさ」がある場
里山クラブやかまし村事務局 田村隆雅
共に創る遠野の未来
まつだ松林堂 松田和子
廃校の活用と遠野の伝統野菜「早池峰菜」
遠野早池峰ふるさと学校 藤井洋治
夢の実現に向けて歩んだ20年
あやおり夢を咲かせる女性の会 菊池ナヨ
大槌復興米の物語によせて
遠野まごころねっと代表理事 臼澤良一
奇跡のお米の物語
菊池妙
Ⅲ 里山里地で馬と育ちあう
馬人 菊池辰徳
第三章 遠野スタイル“超高齢者いきいき物語”
超高齢社会幸福度研究者 市民大学院 冨澤公子
第四章 蒼き山脈が育む文化と伝統
遠野みらい創りカレッジ 総合プロデューサー 樋口邦史
第二部 企業の語り部が紡ぐ新・遠野物語
第一章 地域と企業の共通価値を創造する“みらい創り”活動
ー釜石市・遠野市における復興支援活動を例として
富士ゼロックス(株)復興推進室
Ⅰ 被災地釜石市の現状と課題解決方法
Ⅱ 被災地支援に向き合った遠野市
Ⅲ 取り組むべき課題の発見をめざしたみらい創りキャンプ
Ⅳ 遠野みらい創りカレッジの設立
第二章 地域のみらい創りに必要な技術
富士ゼロックス(株)コミュニケーション技術研究所
第三章 みんなで描く未来の姿
未来新聞代表 森内真也
第三部 遠野から学ぶ京都の営み −今後の研究会への展望
第一章 遠野から学ぶ みらい創造・地域創生
ー文化的伝統を今の産業・生活に生かす日本発の歩み
京都市民大学院 池上惇
はじめに
Ⅰ 遠野スタイルの確立と発展
Ⅱ 大災害が生み出した東京・神奈川との縁
Ⅲ 遠野以外ではできない学術拠点づくり
第二章 グローバリゼーションの渦に耐えて光る京風
Ⅰ 商人道から地域復興へー石田梅岩と二宮尊徳
教育事業家・商人道研究家 中野健一
Ⅱ グローバリゼーションを生かす京都文化経済の構造
日本デザイン・プロデューサーズ・ユニオン理事 木林威夫
Ⅲ 丹後絹織物産地における文化資本クリエーション事例
テキスタイルコーディネーター 越智和子
Ⅳ 京都西陣における今後と文化資本の発展について
西陣麻畠織物代表 麻畠正資
終わりに 地域の発展と文化ー本書出版によせて
京都大学名誉教授 山田浩之
謝辞
遠野みらい創りカレッジ 遠野・京都文化資本研究会代表 池上惇