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雑誌は見ていた

戦後ジャーナリズムの興亡

雑誌は見ていた

出版人はいかに読者へ真実を伝えようとしたか。そしてジャーナリズムの本分はどこにゆくのか。

著者 植田 康夫
ジャンル アート・カルチャー > 出版
出版年月日 2009/11/30
ISBN 9784880652252
判型・ページ数 4-6・340ページ
定価 2,090円(本体1,900円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

東京新聞・中日新聞紙上にて連載されていた「戦後日本 雑誌の興亡」に大幅な加筆で書籍化。

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目次

一章 『新生』と青山虎之助
苛酷な時代/明治の『西洋雑誌』/百万部に達した『キング』/戦後雑誌の『新生』今日から始まる/三十一歳の社主/破格の原稿料/菊池寛の歎き/鎌倉で生まれる/若き日の池島信平/文藝春秋社解散す/新社設立……どんな苦労をしても/戦後雑誌の終焉

二章 岩波書店と文藝春秋
古書店から出発した岩波書店/谷川徹三の命名『世界』/金ボタンの秀才雑誌/読者へ訴える/司馬遼太郎の感慨/同志だけが生き残った/「リーダイ」を読み「勉強せねば」/兵士がポケットに入れられる/青山虎之助の退場/川端康成からの電報/GHQの検閲を逃れる/鎌倉に押しかける訪問客/料亭三昧、派手な接待/巌谷大四の懸念/用紙配給制の統制で窮地に/商号譲渡で退職金に充てる/池島の酒気にへきえき
 
三章 文春王朝の時代
「記録」に惹かれた池島/異常な事件「戦争」を凝視する/硬派の記事だろうが軟らかく/天皇陛下大いに笑ふ/非民主的手法 意表外の面白さ/社員に株式、配当十割/絶筆 青山虎之助を讃えつつ

四章 『平凡』の岩堀喜之助と清水達夫
雑誌を一緒にやらないか/すでに読者は決まっていた/下中彌三郎からもらった名前/大衆の心にひびくもの/田畑を売って創立/「平凡」のために集まった人々/給料は全員同額/人相で大雑誌を予言/創刊号は即日完売だが……/ふたりだけの編集会議/そうだ歌と映画だよ/若者の憧れをよぶ『ロマンス』/廃刊を決意/見る雑誌への転換/歌謡曲にあった鉱脈/自分の感動を読者に/歌と映画の娯楽雑誌/乙女の性典/初潮体験のあざやかさ/ひばり、チエミ、いづみ/アマチュアリズムに徹する/愛読者の投書でスター発掘/読者組織をつくる/『ロマンス』の廃刊

五章 花森安治と『暮らしの手帖』
終身編集長・花森安治/花森色に染めあげて/ハサミダコができた/「美しさ」へのこだわり/リュックの販売旅行/広告無掲載で「商品テスト」/皇室発の「特ダネ」をモノにする/花森安治の仕事「商品テスト」/生産者によいものをつくらせる/この一冊をのこしてほしい/手を振って去ったあとに

六章 『週刊朝日』と扇谷正造
小用にさえ立たなければ/週刊誌の祖『サンデー』と『週』/一週間分をひとまとめに/面白くて役に立つ『サンデー毎日』/人間くさく作るんだネ/対談会……面白そうだネ/こりゃ、絶対あたる/徳川夢声の「問答有用」/吉川英治の『新・平家物語』/読者たちの共同執筆/「知的労働の集団化」論/財布が気持ちよくあく雑誌/ライバル『サンデー毎日』/獅子文六「大番」ヒット/扇谷の引退/『朝日ジャーナル』創刊

七章 『週刊新潮』と『女性自身』
『週刊新潮』創刊の事情/ゴシップをトップに持っていきなはれ/山下清が谷内六郎に/ピンチヒッター柴田練三郎/古本屋で見かけた机龍之介/眠狂四郎登場/マスコミ・スター草柳大蔵/「ヒロシマ」レポート/土門拳の格闘/出版社系週刊誌の興隆/トップ屋の抗議/データ・マン、アンカー・システム/齋藤十一俗物を誇った/ひたすらデータで語る/草柳大蔵の『週刊明星』批判/黒崎勇と『女性自身』/創刊号は返品率五割二分の惨敗/百八十度の方向転換/"皇室自身”皇太子妃の素顔を特写/足音の聞こえる記事/ルポライター・竹中労/黒崎勇の「ニュース哲理」/外国女性の写真を表紙に/読み捨てからの脱却/一匹狼たちの梁山泊

八章 週刊誌黄金時代
出版界あげて週刊誌の時代へ/『マガジン』『サンデー』の創刊/『文藝春秋』から『週刊文春』/佐佐木茂索の肚の内/梶山軍団のトップ屋魂/ライターから作家へ/テレビのある茶の間の雑誌『週刊平凡』/清水達夫の表紙哲学/『平凡パンチ』の創刊/子どもの週刊誌がないな……/マンガを中心にした少年週刊誌/トキワ荘グルーブの登場/土日は『サンデー』を読もう/火を吹く定価のさぐり合い/マンガ週刊誌への脱皮/シナリオ作家とマンガ家の分業/梶原一騎の入魂

九章 アン・ノンから『FOCUS』へ
未婚をターゲットに、女性誌が変化/『主婦の友』の大判化/別冊付録をやめ綴じ込み付録に/"三種の神器”を否定する/『an・an』の創刊/六本木に編集室を置く/アンノン族を生み出す/休刊ささやかれるが六号目で大ヒット/遊びを自分のものにし始めた女性たち/「遊び」から「生活」へ着陸/台所に立つ男たち/評論や主観を排除した『ぴあ』/断絶された情報の蓄積になる/読む側が選ぶーカタログとなった雑誌/ペーパー・テレビ、写真週刊誌の登場/齋藤十一の後悔/写真と文字で二度読ませる『FOCUS』/「たけし事件」で凋落

十章 いよいよ雑誌の時代がやってきた
加藤秀俊の「中間文化論」/新書文化から週刊誌文化へ/読者の要求レベルに答えられているか?/読む雑誌の復権はなるか/物書き・佐野眞一の諫言/泣き言はやめ、初心に戻る/WEB上の言論者は雑誌を滅ぼすか/論壇は消え去るのか/文書資料の優位性/雑誌のジャーナリズム性/松川事件を通して/プロのジャーナリストは滅びない

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