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出版の冒険者たち。

活字を愛した者たちのドラマ

出版の冒険者たち。

ポプラ社、二玄社、小学館、大修館書店、冨山房、暮しの手帖社、農山漁村文化協会。出版創業時の苦労話、裏話を収録

著者 植田 康夫
ジャンル アート・カルチャー > 出版
出版年月日 2016/03/01
ISBN 9784880653808
判型・ページ数 4-6並製・336ページ
定価 2,420円(本体2,200円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

本と雑誌。活字を愛した者たちのドラマ。

「ズッコケ三人組」シリーズヒットの秘密とは。
故宮で見た一枚の古画をきっかけに出版社を創設。
最初は否定された学年別雑誌、成功までの道のり。
予約申込三万部、諸橋『大漢和辞典』編纂の苦労とは。
神保町での書店開業から大槻『大言海』まで。
銀座の事務所と命がけの商品テスト。
農村営業から中国との交流活動、そして雑誌「うかたま」創刊。

出版社創業時の苦労話、大型企画の誕生秘話、新雑誌創刊のきっかけなどを紹介する一冊。
※本書は「週刊読書人」にて“活字シアター”として連載されていた中から反響の大きかったものを加筆・修正し書籍化いたしました。

※東京新聞3/20読書面で紹介されました

【著者】植田 康夫(うえだ・やすお)
1939年広島県生まれ。1962年上智大学文学部新聞学科卒業と同時に週刊読書人編集部に勤務、1982年より「週刊読書人」編集長を務める。 1989年同退社後、上智大学文学部新聞学科助教授、1992年から2008年3月まで同教授。2009年4月に同名誉教授。2008年4月より読書人取 締役「週刊読書人」編集主幹。2000年から2008年4月まで日本出版学会会長。2013 年6 月より読書人代表取締役社長。
*プロフィールは本書刊行時の物です。

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目次

まえがき

第1章 ポプラ社 書店まわりを実践し児童書出版の域を超える
年中無休で毎朝五時四十五分出社/独立して出版をやることに/吉川英治の作品を刊行する/書店まわりを決意する/経営危機を脱す/「ズッコケ三人組」ヒット/百科事典の刊行に挑戦

第2章 二玄社 「 故宮」に魅せられた出版人
故宮で見た古画/「谿山行旅図」/絵に打ちのめされる/偶然で書に関する本を刊行/出版には金が要ることを痛感/「筆勢がない!」と言われる/予科練受験が不可能/食うや食わずで終戦の日を迎える/白水社を紹介される/本の造り方を学ぶ/二玄社を創立して出版を開始/西川夫人に救われる/『書道講座』初版が売り切れ/故宮の名品を複製/困難を極めた作業/迫真の復元/好きなだけ複製を許す/複製で何を果たしたのか/書に対する考えを形成/中国は一番遠い国/読者の目線で本を造る

第3章 小学館 「 本は一生の友達」学年誌を幹に花開く
平成四年に創業七十周年を迎える/社内LAN導入で行動スタイルが変わる/アナログ派の社長/社長になっても点字絵本雑誌を編集/高学年向けから創刊された学習雑誌/独学の体験が、学習雑誌の創刊を促す/住み込みで吉田書店に入店/才能が東京で羽ばたくきっかけ/受験雑誌を越えた面白くてためになる雑誌/最初は否定された学年別雑誌/理想と現実の二つを追及/共同出版社の「おやじ」/武夫の考えを知った鈴木省三/「学年別という独自性を持っている」から/関東大震災という自然災害/挿絵を重視した『一年生』『二年生』/返品雑誌を実物見本に/学習雑誌の類誌が創刊される/トレードマークを創案する/鈴木省三が独立を決意する/ライバル誌に対する工夫を重ねる/四十一歳で亡くなった武夫/六誌が完全に復刊するまで苦戦/小学館の雑誌の前に立ちはだかった学習雑誌/二重生活を送った相賀徹夫/『少年王者』がベストセラーになる/「学年別学習雑誌」の表示に改める/学習雑誌の発行部数が急激に上昇/今でも「紙」を愛する相賀昌宏

第4章 大修館書店 「 天下の公器」を信条に良書出版を貫いて九十年
後世に残る良書の出版をめざす/母の言葉が精神的背骨に/莊夫に自分の希望を託する/大修館書店の看板を掲げ一本立ち/鈴木一家を自然の猛威が襲う/諸橋轍次を紹介される/『大漢和辞典』の編纂に入る/従来の漢和辞典の編纂に見られぬ工夫/予約申込三万人に一万部/自分にもしものことがあっても/昭和三十五年に全巻出版記念祝賀会/高く評価された『大漢和辞典』/全巻にわたる修訂の作業/出典箇所の調査に莫大な時間/数え歳百歳の天寿を全うする/創業七十周年に普及版刊行/補巻完成までに前後十四年間/鈴木一平の追悼文集刊行/近年はユニークな辞典、書籍を刊行

第5章 冨山房 困難と闘い名著大著を刊行
創立五十周年を迎えた冨山房の社史/土佐の西端宿毛町に生まれる/神保町で小さな本の小売店を開業/『大日本地名辞書』全七巻に取り組む/資金が欠乏し、小野義眞の所に駆けつける/『學生』という雑誌を発行する/『大日本國語辞典』を刊行する/『言海』と『大言海』刊行をめぐるドラマ/『言海』完成の祝宴の記録/大槻の辞書作りを支えた哲学/坂本が『大言海』を刊行したきっかけ/『国民百科大事典』と『日本家庭百科大事彙』/昭和十三年、七十三歳で亡くなる/『出版人の遺文』での坂本の評価/「冨山房百科文庫」の発刊/『新編大言海』と『増補大日本地名辞書』/『漢文体系』と『新漢和字典』/『季刊アメリカ文学』と『フォークナー全集』

第6章 暮しの手帖社 “一銭五厘の旗"と暮しを守って
事務所は銀座に持たんと/三十年に及んだ名コンビ/転機となった「やりくりの記」/商品テストは命がけだ/花森安治の最後の姿/東京都文化賞受賞者となる

第7章 農山漁村文化協会「 農村空間の時代」21世紀を拓く
都市部で読者が増える『現代農業』/農村とは無縁だった坂本尚/路線のブレが生じた危機/農文協と中国との交流活動/農書全集と安藤昌益全集/電子図書館への取組み/平成二十年の意欲的な特集/型破りの雑誌『うかたま』/地域共同体づくりにも拡大

あとがき

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