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学芸員がミュージアムを変える!

公共文化施設の地域力

学芸員がミュージアムを変える!

変化が新しいミュージアムを創り、ひととまちの変化をもたらす。

著者 今村 信隆
佐々木 亨
ジャンル 文化とまちづくり叢書
社会
出版年月日 2021/03/25
ISBN 9784880654973
判型・ページ数 A5並製・304ページ
定価 2,750円(本体2,500円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

「ひと」に寄り添い、「まち」とともに歩む。ミュージアムは成長する。
運営にかかわる者たちも、変わっていくことができる。
変化が新しいミュージアムを創り、ひととまちの変化をもたらす。

 博物館、資料館、美術館など、公共文化施設を考える時、地域の魅力を発信する観光資源、経済的な側面を無視することはできない。他方でミュージアムには、「ひと」や「まち」に寄り添い、じっくりと時間をかけて人びとの生き方にかかわり、地域とともに育っていくという側面がある。

 本書は、学芸員が自ら変わり、その結果思考と行動が変容し、ミュージアムが変わるとともに、その成果が地域にどう波及するかを考察。特に現場の学芸員によりミュージアムが変わっていくプロセスを浮き彫りにする。北海道大学の「ミュージアム学芸員の企画展制作 〈立案・運営・評価〉 スキル養成プログラム」3年間の成果を、18人の筆者が分担し執筆。 第Ⅰ部は気鋭の研究者による分析、第Ⅱ部はミュージアム(博物館、資料館、美術館)の現場を支える「学芸員」たちが執筆した。

 本書の主役は「学芸員」たちである。ミュージアムのあり方を考えた場合、学芸員はどのような存在であるべきなのだろうか。
 地域が、ひとが、ミュージアムが変わり、成長し、学芸員も学び変わってゆく。利用者の多様なライフコースに寄り添っていける新しいミュージアムの可能性を発見する最新刊。

【編者】
今村 信隆(いまむら・のぶたか)
北海道大学大学院文学研究院特任准教授。1977年、北海道苫小牧市生まれ。北海道大学大学院文学研究院博士後期課程修了。博士(文学)。民間のバス会社を経て、札幌芸術の森美術館に勤務。その後、京都造形芸術大学(現京都芸術大学)専任講師、同准教授、甲南女子大学准教授を経て現職。単著に『一七世紀フランスの絵画理論と絵画談義』(北海道大学出版会、2021年)、編著に『博物館の歴史・理論・実践1 博物館という問い』(藝術学舎、2017年)『博物館の歴史・理論・実践2 博物館を動かす』(藝術学舎、2017年)『博物館の歴史・理論・実践3 挑戦する博物館』(藝術学舎、2018年)など。

佐々木 亨(ささき・とおる)
北海道大学大学院文学研究院教授。1959年札幌生まれ。北海道大学大学院文学研究科修士課程修了。旅行代理店、民間シンクタンク、北海道立北方民族博物館(学芸員)勤務後、東北大学東北アジア研究センター助教授を経て現職。専門は博物館経営論、特にミュージアムにおいて数年かけて使命の再構築と事業評価設計のサポートを通した評価研究。主な論文、著書として「博物館における外部性と評価の今後の展開」『新訂 博物館経営論』(共編著)

【執筆者】*掲載順
緒方 泉(おがた・いずみ)
九州産業大学地域共創学部教授、博士(文学)

吉田 公子(よしだ・きみこ)
九州産業大学美術館准教授、博士(芸術)

中込 潤(なかごめ・じゅん)
九州産業大学美術館学芸室長、修士(学術)

田中 梨枝子(たなか・りえこ)
京都芸術大学准教授

大原 昌宏(おおはら・まさひろ)
北海道大学総合博物館教授

佐久間 大輔(さくま・だいすけ)
大阪市立自然史博物館 学芸課長

北村 淳一(きたむら・じゅんいち)
三重県総合博物館学芸員

関口 千代絵(せきぐち・ちよえ)
北海道立旭川美術館学芸員

卓 彦伶(たく・げんれい)
北海道大学大学院文学研究科博士後期課程

菊地 雅子(きくち・まさこ)
アトリエクーズガーデン代表、アール・ブリュットディレクター、学芸員、ボーダレスア
ートサポート北海道代表、ファイバーワーク作家、植物画家、お菓子屋。

山田 のぞみ(やまだ・のぞみ)
本郷新記念札幌彫刻美術館学芸員

吉里 演子(よしざと・ひろこ)
東川町文化ギャラリー学芸員

沼田 絵美(ぬまた・えみ)
小川原脩記念美術館学芸員

立石 絵梨子(たていし・えりこ)
苫小牧市美術博物館学芸員

樋泉 綾子(ひいずみ・あやこ)
札幌文化芸術交流センター SCARTS キュレーター

小篠 隆生(おざさ・たかお)
北海道大学大学院工学研究院准教授、博士(工学)
*プロフィールは本書刊行時のものです。

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目次

はじめに
第Ⅰ部 ひととミュージアム
第1章 生/ライフとミュージアム

第2章 ミュージアム体験を「ライフコース」と「ナラティブ」で編み直す

第3章 ミュージアムの拡張 ──健康・福祉と文化芸術の融合
1. 地域に博物館健康ステーションをつくる
 ──医療福祉と博物館の接点
2. イギリスの医療福祉と文化芸術の接点
 ──ダリッチ・ピクチャー・ギャラリーの事例
3. アメリカの医療福祉と文化芸術の接点
 ──Arts & Mindsなどの事例

第4章学芸員のキャリアパスとミュージアム

第5章ライフコースと大学ミュージアム

第Ⅱ部 まちとミュージアム
第6章地域を掘り下げるアウトリーチ
1. 都市のコアとしてのミュージアムを模索する
 ──対話と共創の場としての自然史博物館
2. 地域の価値を地域とともに探る
 ──住民と共に活動し、地域に成果を伝える
3. 地域ミュージアムとアウトリーチ活動
 ──点から線、面への取り組み

第7章 ひととまちの課題に寄り添うミュージアム
1. 成長と老いとミュージアム
 ──まちの老いと人びとの記憶
2. かたるべの森の美術館から
 ──日々創作され展示される障害者アート
3. ミュージアムがつなぐコミュニティ
 ──地域の中で、地域を越えて

第8章 地域社会と学芸員
1. 写真が出逢いをはぐくむ町
 ──「写真の町」東川町
2. 地域にかかわる“人”に応じた楽しみを
 ──小川原脩記念美術館の場合
3. 人と人がつながる場
 ──苫小牧市美術博物館の教育普及活動から
4. ライフコースの交差点で
 ──札幌文化芸術交流センター SCARTSの活動

第9章 文化拠点とまちづくり
─北海道東川町の事例から

終わりに
執筆者とプロフィール

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